
山田賢司外務副大臣は、5月4日のプレッジング会合でのビデオメッセージ形式の声明で、イエメンの紅海沿岸に係留されている腐敗が進行した大型タンカー「FSOセイファー号」の問題は、国際社会が緊急で取り組むべき課題であると呼びかけた。
会合は英国政府、オランダ政府、国連が共催し、同大型タンカーの危機的状況を訴えるものであった。
国連によると、FSOセイファー号は現在、エクソン・バルディーズ号から流出された油量の4倍の油量を保有しており、早急に対処しなければ、分解または爆発の恐れがあると予想されている。もし事故が起きれば、タンカーから流出された油量としては過去5番目に多い量となる。
大量の石油が流出すれば、紅海の手つかずのサンゴ礁、沿岸のマングローブ、海洋生物などが壊滅的な打撃を受け、数百万人が高濃度の汚染大気にさらされることに加えて、イエメンへの食料、燃料、その他の救命物資が途絶える恐れがある。
会合の中で、山田副大臣は、壊滅的な流出事故のリスクを軽減するために、国連が策定した「セイファー問題救難作戦計画(SSOP)」の重要性を強調した。
「この問題の重要性に鑑み、我々は国際社会と協力してこのプロジェクトを進めていく」と山田副大臣は声明で述べ、イエメンが直面している多くの課題を踏まえると、FSOセイファー号の問題は、国際社会が早急に取り組まなければならない最も緊急な課題であることを強く訴えた。
山田副大臣は、2015年以来、約4億3,000万ドルの人道支援を提供してきた実績を挙げ、イエメンの人道危機に対処することへの日本のコミットメントを強調した。また、2023年には少なくとも約2400万米ドルの追加人道支援を日本が提供することを発表した。
山田副大臣は、国際社会と協力してFSOセイファー号の問題に取り組み続ける日本の決意を改めて表明し、世界最大級の石油流出事故のリスクを軽減するために協力することの重要性を強調した。