
政府は14日、新型コロナウイルス感染者の死亡が国内で初めて確認されたことを受け、安倍晋三首相が本部長を務める対策本部の下に「専門家会議」を設置した。全国に計536カ所の相談センターを整備。ウイルス検査や感染者治療などの対応に全力を挙げる方針だ。
首相官邸で開いた対策本部会合で、首相は「第一線で活躍する感染症の専門家を構成員とする会議を設置し、対策を強化していく」と表明。国民に対して「手洗いなど通常のインフルエンザと同様の予防策を実施し、落ち着いて行動するように」と呼び掛けた。
首相はこれに先立つ政府・与党連絡会議で「国民の不安をしっかり受け止め、感染拡大の防止に万全を期していく」と強調した。
茂木敏充外相は記者会見で、ウイルス発生地の中国湖北省に残る日本人を退避させるため、チャーター機第5便の16日派遣に向けて調整していると説明。17日に戻る見通しを示し、「今回で帰国オペレーションにひと区切りを付けたい」と語った。
外務省は、中国浙江省温州市の感染症危険情報を、レベル3の「渡航中止勧告」に引き上げた。
一方、菅義偉官房長官は会見で、発熱や流行地域への渡航歴の有無にかかわらず、感染を強く疑われるケースでは柔軟にウイルス検査を行うよう、各自治体に通知したことを明らかにした。
感染例が出た市町村など詳しい情報の公表を求める声が出ていることに関し、菅氏は「公衆衛生上の必要性と個人情報の保護を比較考量しつつ、公表する情報を判断している」と説明した。
時事通信社