
モスクワ:北朝鮮の金正恩委員長は17日、装甲列車でロシアを出発したと、ロシア国営メディアが報じた。6日間の訪問は、主に軍事関連の問題に焦点が当てられていた。
新型コロナウイルス感染症によるパンデミック以来、金正恩委員長にとって初となるこの海外公式訪問は、ロシアと北朝鮮が制裁を無視して武器取引を行うのではないかという西側の懸念をあおっていた。
ロシア国営通信社RIAノーボスチは金正恩氏の出発の動画を公開し、アルテム – プリモルスキー第1駅で「出発式」が行われたと伝えた。国営タス通信(TASS)は、金正恩委員長を乗せた列車は約250キロ先の国境に向かっていると伝えた。
映像には、アレクサンドル・コズロフ天然資源環境相率いるロシアの代表団に列車から手を振って別れを告げる金正恩氏の姿が映し出されていた。列車が出発する際にはロシアの行進曲『スラブ娘の別れ』が演奏された。
タス通信によると、金正恩氏は17日早朝、地方知事から5機の自爆ドローン、偵察ドローン、そして防弾チョッキをプレゼントされたという。
タス通信は、「朝鮮民主主義人民共和国(DPRK)の指導者が5機のカミカゼドローンと垂直離陸の『ゲラン25』偵察ドローンを受け取った」と伝えた。
同メディアによれば、中国と北朝鮮に隣接する沿海地方の同知事はまた、「金正恩氏に防弾具一式」と「赤外線カメラで探知されない特殊な衣服」を提供したという。
金正恩氏は16日にはウラジオストクでロシア国防相と会談し、極超音速ミサイルシステムを含む最新鋭兵器を視察した。
12日から始まった金正恩氏のロシア極東地域への長期視察は、軍事的な問題に幅広く焦点を当てていた。このことは、彼が将校を中心とした側近を従えていたことや、ウラジーミル・プーチン大統領と交わした象徴的な小銃の交換、コムソモリスク・オン・アムールの戦闘機工場の視察からも明らかだ。
ロシアは、ウクライナでの戦闘を継続するために北朝鮮の弾薬を購入することに関心があるとみられている。一方平壌は、国際的に非難されているミサイル開発計画のためにロシアの援助を望んでいる。
ロシアは、どのような合意にも署名しておらず、また署名する予定もないとしている。
金委員長は17日、ウラジオストクで学ぶ北朝鮮の学生たちとも会談した。
北朝鮮の国営通信社、朝鮮中央通信(KCNA)は、金委員長の訪問中の雰囲気を「熱烈で、温かい」ものであったと表現し、北朝鮮とロシアの間に「友情、連帯、そして協力の新時代」が開かれつつあると述べた。
ロイター