
ニューヨーク:国際社会が気候変動抑制への取り組みを軌道に乗せなければ、中東は「深刻な環境災害」に直面することになるだろう、とイラクの首相が22日に述べた。
イラクのムハンマド・シア ・アル・スダニ首相は、ニューヨークの国連総会で、イラクはすでに気温上昇による有害な影響を受けており、チグリス・ユーフラテス川水系の水位が低下していると語った。
「イラクや中東諸国にとって、環境災害はより深刻なものになるだろう。前例のない気温の上昇により、通常の生活は極めて困難になり、不可能に近づいている」とアル・スダニ氏は述べた。
「イラクを流れる2つの川は、気候変動による干ばつの影響の矢面に立たされている。水資源と国際河川流域に対する権利を守ることが急務だ」
イラク水資源省が2021年に発表した報告書は、気候変動による干ばつと水位の低下が続くことで、チグリス川とユーフラテス川は2040年までに完全に干上がると警告している。
アル・スダニ氏は、越境水系の管理のための地域調整メカニズムを構築し、干ばつ、砂嵐、熱波に対処するために、イラクが近隣諸国と協力しようとしていることを強調した。
「私たちは、イラクやイランなどの湾岸諸国、湾岸協力理事会(GCC)の加盟国など、気温上昇に最もさらされる国々を含む地域グループの設立を求める」とアル・スダニ氏は述べ、次のように続けた。
「イラクは、国レベルでは、排出量を削減し、関連ガスの燃焼や環境汚染を止めるために必要な措置を講じてきた」
「また、廃棄物のリサイクルの分野でいくつかのプロジェクトを開始し、クリーンエネルギーへのシフトを促している」