
ジオ・バレンツ号発:6日朝、リビア沖で活動していた非営利団体の救助船が2回の捜索で移民258人を救出した。
2回行われた捜索のうち1回目で救助したのは、全長7メートル(23フィート)の木製ボートで、女性17名と未成年者29名を含む162名の移民が乗っており、その多くは甲板下の狭い場所にいた。
国境なき医師団の捜索救助船ジオ・バレンツ号の救助コーディネーター、フラビア・コンテ氏によると、ボートにはエンジンはついていたものの、航行のシステムは搭載されていなかったという。
人々は、水面に沈んだ状態のボートで何時間も海上を漂っていたところだった。乗っていた移民はシリア人とエジプト人だった。
コンテ氏はAP通信に対し、「その多くは甲板の下、船体の内部にいましたが、通気の面では安全性が低い場所です。ジオ・バレンツ号はその部分で死亡した人々の遺体を発見しました」と述べた。
2回目に救助した同様の木製ボートには、96人が乗っており、その中にはシリア人を中心に9人の子どもが含まれていた。
コンテ氏によると、イタリア海事当局からジオ・バレンツ号に対し、救助した人々を現在地から400キロ離れたナポリ近郊のサレルノ港まで搬送するよう指示があったという。
遠方の港を指定されると、救助船が必要とされるエリアから長期間離れることになってしまうとコンテ氏は述べた。「そうすると、きわめて危険な航行、死亡者や行方不明者、妨害を受けてリビアに送還される人が増える可能性があります」
同救援団体は最近の声明で、「毎年数千人を死刑に処している政府の恥ずべき無策」を非難した。
イタリアの内務省の統計によると、今年は10月6日の時点で136,000人近くがイタリアに上陸した。2023年の同時期は72,000人だった。
イタリアのジョルジャ・メローニ首相は、急増する移民に対処するため「異例の措置」を取ると明言し、現在スペインのグラナダで行われているサミットで、欧州諸国の指導者らと移民について議論を重ねている。イタリアは到着する移民への対応に苦慮しているとして他国からのさらなる支援を求めている。
AP