




パリ:パレスチナのイスラム主義運動組織ハマスが10月7日にイスラエルに対して大規模な攻撃を開始し、数多くの外国人が殺害されたり、拉致されて人質となったり、または行方不明となっている。
イスラエル当局は、武装勢力ハマスによるガザ地区からの襲撃で、イスラエルでは1,400人を上回る人々(主に民間人)が殺害され、その多くは射殺され、または生きながらにして焼殺されたり頭部や四肢を切断されていたと発表した。
イスラエルによると武装勢力ハマスはイスラエル人や外国人、二重国籍者を含む約230人を拉致し人質としているという。その後、4人の女性が解放されている。
10月26日、ハマスの軍事部門は、イスラエルの空爆によって「50人近く」のイスラエル人の人質が死亡したと発表した。
イスラエル当局はこの死亡者数の裏付けを行っておらず、AFPも独自の検証は出来ていない。
ガザ地区では、イスラエルによる容赦ない報復空爆により、これまでに7,300人超のパレスチナ人が殺害され、その内子供の人数は3,000人を上回っているとガザ保健省は10月27日に発表した。
AFPの集計により、ハマスの襲撃で200人超の外国人が死亡し、その多くが二重国籍者であったことが確認され、その国籍別の内訳も明らかとなった。
入手可能な最新情報からまとめたイスラエルで死亡した外国人の内訳は以下のようになる。
フランス – 仏外務省によると、フランス人35人が殺害され、9人が人質もしくは行方不明になっているという。人質の中には、10月16日にハマスが公開したビデオに登場したミア・シェムという若い女性も含まれている。
タイ – タイ政府によると、タイ人33人が殺害され、18人が拉致されたという。イスラエルでは、約30,000人のタイ人が主として農業に従事している。
米国 – 米政府によると、米国人31人が死亡し、13人が行方不明になっているという。ジョー・バイデン大統領は、人質の中に米国人が含まれていると述べている。アメリカ人女性とその娘が10月20日に解放された。
ウクライナ – キーウのウクライナ当局によると、ウクライナ人21人が殺害されたという。さらに1人が行方不明者とされている。
ロシア – ロシア系イスラエル人19人が殺害され、他に2人がハマスの人質になっている。ロシア人7人が行方不明者とされている。
英国 – 英国政府によると、少なくとも12人の英国人が殺害され、5人が行方不明になっているという。死亡者の中には、13歳のヤヘル・シャラビさん、16歳の姉のノイヤさん、2人の母のリアンさんが含まれていると遺族が語った。2人の子供たちの父親のイーライさんは依然行方不明となっている。
ネパール – テルアビブのネパール大使館によると、ネパール人10人が殺害されたという。さらに、もう1人のネパール人と連絡が取れなくなっている。
ドイツ – ドイツ当局者は、死亡者数は10人未満で、人質となっているドイツ人の人数は「2桁」に達していると述べている。
アルゼンチン – 9人が殺害され、21人が行方不明者または人質とされている。その中には、兄弟2人(父親によると、イエア・ホーンとエイタン・ホーン)と生後9か月の乳児が含まれている。
カナダ – カナダ政府によると、カナダ人6人と、「カナダと深い繋がりのある」1人が殺害されたという。2人が依然として行方不明とされている。
ルーマニア – イスラエルとの二重国籍を持つルーマニア人5人が殺害され、その内の1人は兵士だった。1人がハマスに拉致された。同様に二重国籍のポルトガル人4人が殺害され、4人が行方不明とされている。
中国 – 中国人4人が死亡し、2人が行方不明になっている。
フィリピン – フィリピン人4人が死亡した。その中には、キブツが襲撃されて亡くなった33歳の女性と42歳の男性、エレクトロニック・ミュージックのフェスに参加していた49歳の女性が含まれている。2人が行方不明とされている。
オーストリア – イスラエルとの二重国籍を持つオーストリア人4人が殺害され、1人が行方不明とされている。
イタリア – イタリア政府によると、二重国籍を持つイタリア人3人が死亡したという。3人の死亡者は、60代の夫婦と、ハマスに襲撃された音楽フェスに参加していた29歳の若者だった。
ベラルーシ – 一般市民3人が死亡し、1人が行方不明になっている。
ブラジル – イスラエルとの二重国籍を持つブラジル人夫婦ともう1人のブラジル人女性が死亡した。イスラエルとの二重国籍を持つ59歳のミシェル・ニセンバウムさんが行方不明と報じられている。
ペルー – 一般市民3人が殺害された。
南アフリカ – 一般市民2人が殺害された。
チリ、トルコ、スペイン、スリランカ、コロンビアは、それぞれ死亡者1人に行方不明者1人と発表している。カンボジア、オーストラリア、ホンジュラス、アゼルバイジャン、アイルランド、スイスは、それぞれ市民1人が死亡したと発表した。
2人の未成年を含むイスラエル系ハンガリー人4人が人質となっている。
イスラエルとの二重国籍を持つ30歳のメキシコ人と32歳のメキシコ系フランス人も拘束されている。
オランダ政府は、18歳の男性がベエリ・キブツで拉致され人質となったと発表した。ウルグアイ政府も、イスラエルとの二重国籍を持つ自国民が1人、ニル・オズ・キブツで拉致されたことを認めた。
政府系の情報筋によると、パラグアイ人2人とタンザニア人2人も人質となっているという。
AFP