
ジュネーヴ:国連は3日、スーダン西部のダルフール地方の状況が日に日に悪化しており、女性・女児が拉致され奴隷的な状況下で拘束されていると警告した。
国連の報告書によると、スーダン国軍トップのアブドゥルファッターフ・アル・ブルハン将軍に忠実な軍隊とモハメド・ハムダン・ダガロ将軍の即応支援部隊(RSF)との間の戦争により、4月以降スーダン全土で9000人以上の死者が出ている。
国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)のエリザベス・スロッセル報道官は記者会見で次のように述べた。「ダルフールのRSF支配地域において、女性・女児が拉致され、非人間的で劣悪で奴隷的な状況下で拘束されているとの報告について深く憂慮している。彼女たちは強制結婚させられたり、身代金目的で拘束されたりしているとされる」
「被害者、目撃者、その他の情報源からの信頼できる情報が示唆するところでは、20人以上の女性・女児が拉致されている。しかし実際の人数はもっと多い可能性がある」
「鎖に繋がれてピックアップトラックや車に乗せられた女性・女児を見たとの報告もある」
スロッセル報道官によると、スーダンの国連合同人権事務所は、紛争に関連した性的暴力が50件以上発生しており、女性86人、男性1人、子供18人の少なくとも105人が被害に遭っているとの信頼できる報告を受けている。
そのうち23件は強姦、26件は集団強姦、3件は強姦未遂を伴うものだという。
記録・確認された性的暴力事件の少なくとも70%が、RSFの制服を来た男性によるものであった。
国連のヴォルカー・ターク人権高等弁務官は、紛争の両陣営の高官らに対し、それぞれの軍隊に性的暴力のゼロトレランスを要求する明確な緊急指示を出すよう求めた。
一方、国連人道問題調整事務所(OCHA)は、ダルフールの民間人が置かれている状況は「日に日に悪化」しており、ますます暴力的になっていると述べた。
両陣営は先週、米国とサウジアラビアによる仲介のもと、ジェッダで交渉に復帰した。
OCHAのイェンス・レルケ報道官は記者団に対し次のように述べた。「持続的な停戦の実現と人道アクセスの促進に向けたジェッダでの交渉に大きな期待が寄せられている今、我々は全当事者に対し、紛争をエスカレート・拡大させることを控えるよう求める」
「ダルフール住民は今まで十分苦しんできた。特に女性はそうだ。過去においても、現在の紛争においてもだ」
同報道官によると、スーダン全土で570万人以上が家からの避難を余儀なくされており、現在2500万人(人口の半数以上)が人道支援を必要としているという。
AFP