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休戦合意に伴う少年・女性囚人の釈放にパレスチナ人家族が歓喜

2023年11月24日、ガザのハマスが解放した人質と引き換えに、占領地ヨルダン川西岸地区のラマッラー近郊のバイチュニアにあるイスラエルのオフェル軍事施設から解放され、歓声を上げる、グレーのジャンパーを着用したパレスチナの囚人。(AFP)
2023年11月24日、ガザのハマスが解放した人質と引き換えに、占領地ヨルダン川西岸地区のラマッラー近郊のバイチュニアにあるイスラエルのオフェル軍事施設から解放され、歓声を上げる、グレーのジャンパーを着用したパレスチナの囚人。(AFP)
2023年11月24日、イスラエル占領下のヨルダン川西岸地区のラマッラー近郊で、ハマスとイスラエルの間で人質と囚人の交換取引が行われた後、解放されたパレスチナの囚人がイスラエルの軍事刑務所オフェルを出る際にポーズを取る。(ロイター)
2023年11月24日、イスラエル占領下のヨルダン川西岸地区のラマッラー近郊で、ハマスとイスラエルの間で人質と囚人の交換取引が行われた後、解放されたパレスチナの囚人がイスラエルの軍事刑務所オフェルを出る際にポーズを取る。(ロイター)
2023年11月24日、イスラエル占領下のヨルダン川西岸地区のラマッラー近郊で、ハマスとイスラエルの間で人質と囚人の交換取引が行われた後、解放されたパレスチナの囚人がイスラエルの軍事刑務所オフェルを出る際に群衆に応える。(ロイター)
2023年11月24日、イスラエル占領下のヨルダン川西岸地区のラマッラー近郊で、ハマスとイスラエルの間で人質と囚人の交換取引が行われた後、解放されたパレスチナの囚人がイスラエルの軍事刑務所オフェルを出る際に群衆に応える。(ロイター)
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25 Nov 2023 11:11:49 GMT9
25 Nov 2023 11:11:49 GMT9
  • この合意により、ハマス側は少なくとも50人の人質を、イスラエル側は150人のパレスチナ人囚人を、4日間で解放することになる。

ヨルダン川西岸地区、ベイトゥニア:24日、39人のパレスチナ人囚人が、イスラエル・ハマス間の休戦合意の一環としてイスラエルの刑務所から解放された。彼らは占領下のヨルダン川西岸地区へ、英雄的歓迎を受け帰還した。

エルサレム郊外の検問所で行われた解放された囚人たちの中には、軽微な犯罪で告発された者や攻撃に関与したとして有罪判決を受けた者もいた。彼らの行進にパレスチナ人の大群衆は叫び、拍手し、手を振り、熱狂した。

ぼうぜんとした様子の15人の若者たちは、刑務所のグレーのスウェットスーツに身を包み、疲労でやつれた様子で、涙を流す父親たちの肩に乗せられて通りを進んだ。花火が夜空を燃えるように染め上げる中、愛国的なパレスチナのポップ音楽が鳴り響いた。

解放された人々の中にはパレスチナの国旗や、ハマスの緑の旗をまとった者もいた。群衆を押しのけるように進む彼らは勝利のサインを送った。

「言葉が見つからない」と、解放されたばかりの17歳のジャマール・ブラフマさんは、押し寄せるジャーナリストや、民族衣装を着た何千人ものパレスチナ人の大合唱の中で、言うべき言葉を探していた。「神に感謝する」

彼を肩から下ろし、7カ月ぶりに息子と目を合わせた父親のハリル・ブラフマさんの頬を涙が伝った。イスラエル軍は昨年春、パレスチナの都市ジェリコの自宅でジャマールさんを逮捕し、起訴も裁判もせずに拘留していた。

「私はただもう一度、彼の父に戻りたい」と彼は言った。

彼らパレスチナ人囚人の解放は、24日に始まった4日間の休戦中、イスラエル人の人質とパレスチナ人囚人の最初の交換として、ガザで拘束されていた13人のイスラエル人を含む24人の人質が解放されてから数時間後に行われた。

この合意により、ハマス側は4日間で少なくとも50人の人質を、イスラエル側は150人のパレスチナ人囚人を解放することになっている。イスラエルは、さらに10人の人質が解放されるごとに休戦期間を1日延長できるとしている。

ヨルダン川西岸地区内にあるイスラエルの巨大なオフェル刑務所近くのベイトゥニアの町では祝祭ムードが漂っていたが、人々は緊張していた。

イスラエル政府は、解放を祝う祝賀行事を中止するよう警察に命じた。イスラエル治安部隊は一時的に、群衆に催涙ガスを発射し、若者や老婦人、小さな子どもたちは涙を流し、叫びながら逃げ惑った。

「軍は私たちからこの瞬間を奪おうとしているが、それは不可能です」メイズ・フォカハさんは、釈放されたばかりの18歳の友人、ナブルス出身のヌール・アル・タヘルさんを抱きしめながら語った。アル・タヘルさんは9月、エルサレムのアル・アクサ・モスクでの抗議行動中に逮捕されていた。「これは私たちの勝利の日です」

24日に解放されたパレスチナ人囚人の中には24人の女性が含まれており、そのうちの何人かは、イスラエルの治安部隊に対する刺傷未遂やその他の攻撃で、数年の刑期を言い渡されていた。また、ソーシャルメディア上での扇動で告発された者もいた。

また、投石や「テロ支援」の罪で起訴された15人の少年もいた。こ広範囲にわたって適用される告発は、占領地で暴力が急増するなか、イスラエルがパレスチナの若い男性を長期にわたって弾圧していることを浮き彫りにしている。

紛争の両側の家族にとって、この交換のニュースは、49日間の戦争でおそらく初めての希望の瞬間であるが、喜びと苦悩の入り混じった感情を呼び起こしている。

「パレスチナ人として、ガザにいる兄弟たちのことを思うと胸が張り裂けそうで、とても祝う気にはなれない」と、昨年、17歳の息子イヤスくんを、罪状も裁判もなく、秘密の証拠に基づいて「行政拘禁」された国連職員のアブドゥルカデル・カティブさんは言う。「しかし、私は父親だ。心の奥底では、とても嬉しい」

支援団体「パレスチナ囚人クラブ」によれば、イスラエルがテロ対策として擁護し、そして物議を醸している政策において、同国は現在、過去最高の2200人のパレスチナ人を行政拘禁している。

10月7日、ハマスがイスラエル南部で前代未聞の攻撃を行い1200人のイスラエル人を殺害し、外国人を含む240人を人質として拉致して以来、パレスチナ人は同胞の囚人の運命について思いを巡らせていた。

イスラエルには、「不均衡な交換」に同意してきた歴史がある。2011年、ハマスはイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相に、イスラエル兵の捕虜ギルアド・シャリート 1人と引き換えに、1000人以上のパレスチナ人囚人を釈放させた。

囚人の釈放はパレスチナ社会の核心に触れるものだ。ほとんどすべてのパレスチナ人は、親族が刑務所にいるか、あるいは自分自身が刑務所にいた経験がある。人権団体は、1967年にイスラエルがヨルダン川西岸地区、ガザ地区、東エルサレムを占領して以来、75万人以上のパレスチナ人がイスラエルの刑務所を経験してきたと推定している。

イスラエルが捕虜をテロリストとみなすのに対し、パレスチナ人は捕虜をアラビア語で「戦争捕虜」と呼び、公的資金のかなりの部分を捕虜とその家族の支援に充てている。イスラエルと米国は、捕虜の家族への補助金は暴力の誘因になるインセンティブだと非難している。

「このような囚人交換は、多くの場合、家族が何年も待たずに息子や父親を解放される姿を見ることができる、唯一の希望だ」と、パレスチナ人囚人を支援する団体「アダメール」(Addameer)の国際アドボカシー担当官であるアミラ・カダー氏は言った。「それが彼らの生きる意味であり、神から授けられる奇跡のようなものだ」

ハマスの攻撃以来、イスラエルはハマスや他の過激派組織とのつながりが疑われるパレスチナ人に対する、ヨルダン川西岸地区での数カ月にわたる弾圧をエスカレートさせている。多くの囚人は軍事法廷によって有罪判決を受けており、その有罪率は99%以上である。人気団体によれば、パレスチナ人はしばしば適正な手続きを拒否され、自白を強要されているという。

パレスチナ人囚人のクラブの代表、カドゥーラ・ファレス氏によると、現在7200人のパレスチナ人がイスラエル刑務所にいるが、そのうち2000人以上が10月7日以降に逮捕されたという。

24日、ベイトゥニアで、小柄でにきびのある16歳のアバン・ハンマドさんは、彼の周りで起こる涙、抱擁、親ハマスの大合唱の騒ぎに動揺した様子でじっと立っていた。これは、北部の町カルキリヤで投石をした罪で1年間服役していた彼にとって、初めて目にする光景だった。刑期はまだ8カ月残っていたが、彼は釈放された。

彼は父親の方を向き、包み込むように抱きしめた。「見て、もうほとんど父さんと同じくらい大きくなったよ」

AP

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