
リヤド:「赤十字国際委員会(ICRC)は、ガザでの活動を強化し、規模を拡大し、より多くの人々を現地に送り込むために日々努力を重ねているが、人道支援者にとって、できることは限られている」と、ICRCのロバート·マルディーニ事務局長は語った。
マルディーニ事務局長は5日、サウジアラビアの援助機関であるサルマン国王人道援助救援センター(KSrelief)の関係者と会談したリヤドで、アラブニュースのインタビューに答えた。
「私たちは、このような大規模なニーズに対処することはできない。私たちは、イスラエル側とハマス側の紛争当事者に、この紛争を緩和し、人道支援者がその活動において必要とするレベルの条件を整えてもらいたい」とマルディーニ氏は語った。
現在のガザにおける戦闘の規模と激しさは、人道支援者が必要なレベルで活動することを「不可能」にしていると付け加えた。
「現在の状況では、意味のある人道的対応を行うことは不可能です。だからこそ私たちは、人道的対応を強化するために全力を尽くすのと並行して、紛争当事者に対し、戦争の規則であるジュネーブ条約の下での義務を尊重するよう、繰り返し呼びかけ続ける必要があります」
マルディーニ氏は、ICRCは人道主義のもと、「ガザの人々のために変化をもたらすために、可能性の限界に挑み続けること」を明言した。
しかし、努力は続けるものの、ICRCができることは限られており、「その責任は紛争当事者にある」とマルディーニ氏は述べた。
彼はこう続けた。「彼らには、ジュネーブ諸条約に基づき、民間人を保護し、紛争を緩和するために全力を尽くす義務がある。定期的に人道的休戦を行い、人道支援物資がガザ地区に入ることができるよう、そして人道支援活動家がガザの人々に必要な人道支援を届けることができるよう、また、悲惨な状況下で、常に暴力的な死の恐怖に怯えながら生活している民間人に休息を与えることができるようにする義務がある」
マルディーニ氏は、「紛争の緩和、定期的な人道的休戦、そして民間人のためのより良い状況」が直ちに必要であることを信じて疑わない。
彼は、ガザにいるすべての人々が、今日起きていることにトラウマを抱いていると述べた。
ガザの人々の苦しみを和らげるために何が必要かという質問に対して、彼は人道支援物資が重要だと述べた。
「10月7日に紛争が始まる前でさえ、1日平均400から500、600台のトラックがガザ地区に入ってきており、当時は比較的普通の生活だった」とマルディーニ氏は語った。
しかし、2カ月近くに及ぶ戦闘の後、人々は引き裂かれ、数千人が死亡し、数万人が重傷を負い、地域のニーズはさらに大きくなっている。
「ですので、7日間の休戦中に現地に入った最大200台のトラックは、地域のニーズに全く達していません。これらのトラックだけでは、ガザの人々を救うことはできないのです」
「ガザの人々が今必要としているのは、普通の生活に戻ることであり、より多くの休息であり、紛争の緩和です。そして、さらなる人命の損失や失望、絶望を避けるために必要なのは、政治的解決なのです」
マルディーニ氏は、ICRCは現在、合理的な安全保障を受けようとしているものの、「今日、ガザで安全な場所はどこにもないため、非常に厳しい」と強調した。
「私たちのチームも銃撃戦に巻き込まれています。パレスチナ赤新月社のチームもです。UNWRAやMSFなどからも、多くの人道支援者が殉職しました」
マルディーニ氏は、ICRCはガザのヨーロッパ病院において、パレスチナ人医師と看護師とともに、外科手術チームを運営していることについて述べ、人道的状況の深刻さを強調した。
「彼らの証言は恐ろしく、ぞっとするものです。このような大量死傷者の数は、まったく前例がありません」
ハマスが運営するガザ政府のメディアオフィスによると、開戦以来、戦闘によって1万6000人以上の命が奪われている。11月24日には人道的一時休戦が開始されたが、12月1日には休戦は終了し、イスラエル軍が戦闘を再開した。
「ガザ地区での戦闘再開は、この約2カ月間、あり得ないほどの苦難を強いられてきた市民に大打撃を与えている」と、マルディーニ氏は述べた。
マルディーニ氏は、ガザ地区の病院で活動し、パレスチナ赤新月社のボランティアを支援しているICRCの同僚から聞いた証言を「恐ろしいもの」だと表現した。
「人々は困難な状況の中で暮らしている。家族は離れ離れになっている。何千人もの人々が病院に収容されている」
彼は、病院は病人や負傷者、避難を求める人々で過密状態となり、治療が困難になっていると述べた。水や医薬品の不足が複雑に絡み合い、このような過密状態が病気の蔓延につながる可能性があるという。
「医師たちは、非常に限られた医療資源、そして燃料不足のために、誰を救うべきか、誰が生き残るか、誰が生き残れないかという、不可能な選択に直面している」と彼は言った。
彼は、「安全地帯と呼ばれている」地域にいる民間人についても言及した。「実際には安全ではない、なぜなら今日のガザ地区には安全な場所はどこにもないからだ」と付け加えた。
KSreliefの総括者であるアブドゥラー·アル·ラビーア博士と会談し、ガザの状況について話し合ったことについて、彼は次のように述べた。「サルマン国王人道援助救援センターは、ICRCの非常に強固なパートナーです」
「私たちは、人道支援の強化の方法について話し合いをしました。また、最近、ガザ地区での人道的活動に資金を提供してくれたKSreliefの強力な支援に対し、ICRCとしての感謝の意を述べました。数カ月前にはスーダンでの活動に対しても同様の支援を受けています」
軍事作戦の行動規範を定め、紛争の犠牲者を保護するために設けられた「武力紛争法」の適用について質問されたマルディーニ氏は、「武力紛争法を実際に遂行しています」と断言した。
「私たちは毎日、このことを実証しています。日々、ICRCの外科医が命を救っています」と彼は述べた。
「毎日、パレスチナ赤新月社のボランティアが、私たちの病院から他の病院へ重傷者を避難させています。毎日です。この7日間もそうでした。ICRCは、ガザの人質の解放やイスラエルで拘束されているパレスチナ人をラマッラーにいる家族の下へ帰還させるための管理を行いました」
「これらは武力紛争法の実践であり、武力紛争法が機能している証拠です」
彼はこの点についてさらに詳しく語った。武力紛争法が機能している場合は、「そもそも民間人が被害を受けることが避けられるべきで……武力紛争法は戦争中に尊厳を守るための究極のセーフティネットです。紛争当事者によって支持され、尊重されるべきです」と述べた。
人質に関するICRCの役割について、彼は「中立的な仲介者」と表現した。
「ICRCは紛争の全当事者と対話を持っています。そして人質が取られたとき、私たちは3つのことを行いました。まず、武力紛争において、民間人の人質を取ってはならないとして、その即時解放を呼びかけたました」
さらに、ICRCは「人質の健康状態を確認」し、「家族と連絡が取れる」ようにした、と彼は付け加えた。
「両当事者が今後も人質やパレスチナ人拘留者のさらなる解放に向けて交渉を続けることを願っています。そして、もちろん、人質や拘留者、そして私たち自身のスタッフの安全が守られる条件であれば、ICRCはこのような活動を再び行う準備ができています」と彼は語った。
「希望を持ち続けることが必要です。この前線の両側にいる民間人が、まだ希望を持ち続けることが重要だと考えています。そして、彼らは今日よりも良い状況を与えられるべきです」