


ガザ地区、パレスチナ自治区:日曜日、イスラエル軍は国際的な停戦要求の高まりや残りの人質の帰還を求める親族の嘆願をよそに、ガザ地区での攻勢を強めるなか、ハマスが作った広大なトンネルを発見したと発表した。
イスラエル軍は、エレズの国境検問所近くでこれまでで最大のハマスのトンネルを発見したと発表した。小型車両が通行できるほどの大きさだとAFPのカメラマンは報じている。
イスラエルは、このトンネルは数百万ドルの費用がかかっており、軌道レール、電気、排水、通信ネットワークを備え、建設に何年もかかったと話している。
ガザ戦争は、10月7日にハマス武装勢力がガザ地区にある厳重な警備の国境フェンスを突破してイスラエルに対して史上最悪の攻撃を仕掛け、イスラエルの最新データによると、1,139人(大半が民間人)を殺害し、約250人を拉致したことで始まった。
イスラエル軍は、10月末に始まった容赦ない空爆と砲撃を伴う地上作戦で兵士121人が死亡したと発表している。
これまでで最も凄惨な戦いとなっているガザ戦争は、このパレスチナ領土の多くを破壊し、世界的な懸念を引き起こしている。日曜日には、イスラエル軍の攻撃でさらに数十人が殺害されたと、ハマス支配地域の保健省は発表した。当局の報告では、主に女性と子どもをはじめとする1万8,800人以上が殺害されている。
ガザに暮らす人々のほとんどは、家屋が爆撃され、燃料、食料、水、医薬品を手に入れるのが困難で、避難生活を余儀なくされている。
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、「我々は最後まで戦う。ハマスを排除し、人質全員を解放し、ガザが再び『テロの中心地』にならないようにするという目的はすべて達成する」と改めて明言した。
しかし、最も直近の特使としてテルアビブを訪問中のフランスのカトリーヌ・コロナ外相は、「即時かつ永続的な」停戦を呼びかけた。
「あまりにも多くの民間人が殺されている」と同外相は語った。
フランスはまた、ガザ地区南部のラファに避難していた同国外務省職員1人が死亡した、イスラエルの砲撃を非難した。
コロナ外相と同等である英国のデーヴィッド・キャメロン外相とドイツのアンナレーナ・ベアボック外相も、あまりにも多くの民間人が殺されたと述べている。その一方で、この2人は「停戦がなんとか恒久的なものになることを願いつつ、全面的かつ即時の停戦」を呼びかけるには適切な時期ではないと語った。
それはイスラエルがハマスから受けている脅威を無視することになると、彼らは英国のサンデー・タイムズ紙に書いている。
ローマ教皇フランシスコは、市民が避難していたガザ地区唯一のカトリック教会で、キリスト教徒の母と娘がイスラエル兵に射殺されたとラテン・エルサレム総主教庁がいう事件に対して、遺憾の意を表した。
「テロリストではなく、家族、子ども、病人、障がい者がいる聖家族の教区内でこのようなことが起きた」と教皇は述べた。
国連は、ガザ地区の人口の約80パーセントにあたる190万人が、戦争により避難生活を強いられていると見積もる。
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のフィリップ・ラザリーニ事務局長は、「飢え、あるいは飢えと病気と免疫力低下の組み合わせで、人々が死に始めても驚きはしない」と語った。
ガザ地区では、度重なる通信障害も起こっているが、現地主要通信会社は、現場チームが「被害を受けた主要サイト」を修復し、モバイルとインターネットのサービスが徐々に復旧していると日曜日に発表した。
ガザ地区北部にあるかつてカマル・アドワン病院の中庭だった場所では、パレスチナ人たちが瓦礫をかき分け、遺体を探していた。
先週火曜日、ハマス保健省はイスラエル軍が数日間にわたる「包囲」中にこの病院を襲撃したと報告した。イスラエル軍は、ハマスがこの施設を司令部として使っていたと発表した。イスラエル軍は他の病院についても同様の非難を行っているが、ハマスはそれらを否定している。
戦車やブルドーザーが通った跡が残る病院の中庭の外では、息子を探しに来たアブ・モハメッドさんが泣きながら立ち尽くしていた。
「どうやって息子を見つけたらいいのか分からない」と、彼は瓦礫を指差しながら言った。
イスラエル政府には、最大の同盟国である米国だけでなく、人質の家族からも、軍事作戦の鈍化や一時停止、あるいは中止を求める圧力が高まっている。
米国政府はイスラエルに数十億ドルの軍事援助を提供している。
イスラエルによると、ガザ地区には今も人質129人がいるが、軍が同地区にいる人質3人を誤って殺害したことを認めたことを受け、土曜日には人質の親族らがテルアビブで再び集会を開き、人質を帰還させる協定の実現を求めた。
日曜日、亡くなった3人のうちの1人、アロン・シャムリッツさん(26歳)の親族らは、テルアビブ近郊で行われた埋葬式で、悲しみのあまり涙を流しながら互いに抱き合っていた。
葬儀でシャムリッツさんの兄は、政府が「お前を見捨て、殺したんだ」と語った。
イスラエル軍は、兵士が交戦規定に違反したと発表した。
ネタニヤフ首相は、3人の殺害に「国民全体が失望した」が、他の人質を連れ戻して戦争に勝つためには軍事的圧力が必要だったと述べた。
すでに解放された人質の1人、ドイツ系イスラエル人のラズ・ベンアミさん(57歳)は、1日1食で、適切なトイレの提供がなかったことなど、「精神的、肉体的な毎日の屈辱」に耐えてきたと語った。
先月、イスラエル人の人質80名と投獄されたパレスチナ人240名を交換する停戦の仲介を行ったカタールは、「人道的な停戦を改めて実施するための継続的な外交努力」を行っていると述べた。
しかしハマスは、「我々に対する攻撃が完全に止まるまで、人質交換のいかなる交渉にも応じない」とテレグラムで伝えた。
ガザ戦争の余波で、イスラエル占領下のヨルダン川西岸地域でも暴力が渦巻いている。
パレスチナ保健省によると、日曜日朝、イスラエル軍がヨルダン川西岸地域の難民キャンプでパレスチナ人5人を殺害した。イスラエル軍は、同軍兵士を危険にさらした武装勢力を標的にした空爆だと述べた。
保健当局によると、戦争勃発以降、ヨルダン川西岸地域のイスラエル軍や入植者によって、290人以上のパレスチナ人が殺害された。
この戦争はまた、より広範な中東紛争の懸念を引き起こしている。
イスラエル軍とイランが支援するヒズボラ武装組織は、イスラエル北部とレバノンの国境を挟んで日常的に銃撃戦を行っている。
また、イランが支援するイエメンのフーシ派反政府勢力は、イスラエルに圧力をかけたいと主張し、重要な紅海の海運水域を通過する船舶に攻撃を仕掛け、大手企業は船舶の航路変更を余儀なくされている。
シリア国防省は、ダマスカス近郊の目標に対するイスラエルによる日曜日の空爆で、シリア人兵士2人が負傷したと発表した。
イスラエルは主に、イランが支援する軍事組織やヒズボラ戦闘員、さらにはシリア国内の軍事拠点を標的にしており、10月7日以降こうした攻撃を強化している。
AFP