
カイロ:エジプト保健・人口省は、ここにきて健康問題を管轄する省庁に向けて通達を出し、新型コロナウイルスの新たな変異株JN.1の診断方法について説明を行った。
WHOは今週、JN.1を独立した「注目すべき変異株」として分類した。
エジプト保健・人口省のある関係者は、「通達には新型コロナウイルスの新たな変異株の定義が含まれており、それによると新たな変異株は、主に上気道に影響を及ぼし、他のオミクロン変異株による(のと変わらない)軽い症状を引き起こします」とアラブニュースに語った。
この関係者は、匿名取材を条件に次のことを明らかにした。「この変異株による症状には、発熱、咳、耳の痛み、鼻水、筋肉痛、喉の詰まり、寒気が含まれます。こうした症状が生じる期間は発症者によって異なり、発症者の中には嗅覚と味覚の消失を経験する人もいます」
同省のコロナウイルス感染防止対策科学委員会の委員長を務める医師のホッサム・ホスニー氏は、プレスリリースで「現行の新型コロナウイルス治療プロトコルによって、このウイルスの新たな変異株が引き起こす感染症へ対応することができます。」と語った。
プレスリリースによると、これまでのところエジプト国内ではJN.1変異株による症例は発見されていない。
さらに同医師は「中央研究所は、新たな変異株を検出するための試薬を備えており、診断を容易にすべく、健康問題を管轄する各省庁に対し、症状を記述したものを送っています。全国の呼吸器内科病院 は、治療プロトコルを無料で提供しています。」と続けた。
「新型コロナウイルス感染症の大きな波が再来すると言うことはできませんが、新たな変異株は感染力が高く、ワクチン接種済みの人であっても感染する可能性があります」
エジプトのコロナウイルス感染防止対策委員会の委員を務める医師のザイード・ジャマル氏は、「入国する旅行者に対し、この新たな変異株の症状を検査すべく、空港及び港湾において予防策を強化しています」とアラブニュースに語った。
「この変異株による感染症は、大抵の症例において軽症です。しかし、体調が悪い場合には集まりに参加することは避けた方がよいでしょう。JN.1によってもたらされることが予想される公衆衛生上のリスクは、これまでのオミクロン変異株によるものと同様です」と同医師は続けて語った。
ジャマル氏は「同省のあらゆる部署において、いかなる危機に対しても備えを行っている」ことを強調し、さらに、保健省とWHOが常に状況を把握すべく「最高レベルにおいて」協調していると語った。