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ブリンケン国務長官、イスラエルにガザの民間人の救済を要求、パレスチナ指導者と会談

2024年1月10日(水曜日)、イスラエルの占領下にあるヨルダン川西岸地区のラマッラーで、パレスチナのアッーバス大統領(右)と会談する、中東全域の緊張緩和を目的とした1週間の歴訪中のアントニー・ブリンケン米国務長官(左)。(AP)
2024年1月10日(水曜日)、イスラエルの占領下にあるヨルダン川西岸地区のラマッラーで、パレスチナのアッーバス大統領(右)と会談する、中東全域の緊張緩和を目的とした1週間の歴訪中のアントニー・ブリンケン米国務長官(左)。(AP)
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10 Jan 2024 10:01:05 GMT9
10 Jan 2024 10:01:05 GMT9

ラマッラー:イスラエルは10日もガザを爆撃し続けたが、米国のトップ外交官であるアントニー・ブリンケン国務長官は、戦争終結後に海岸沿いのガザ地区を統治することを米国政府が期待しているパレスチナ自治政府のトップと会談した。

米国務長官が厳重な警備の下、占領下にあるヨルダン川西岸地区のラマッラーに到着すると、デモ隊が「大量虐殺を止めろ」「パレスチナに自由を」「ブリンケンは出て行け」と書かれた看板を掲げた。

ブリンケン国務長官はその後、パレスチナのマフムード・アッバース大統領と会談した。アッバース大統領はその後、紅海の港湾都市アカバでヨルダンのアブドッラー2世・イブン・アル・フセイン国王陛下、エジプトのアブドゥルファッターハ・エルシーシ大統領と会談し、「即時停戦の推進」について話し合うことになっていた。

10月7日のハマスによるイスラエル南部への襲撃によって始まった史上最も血なまぐさいガザ戦争は、3ヶ月以上にわたって激化しており、ガザ保健省によれば、ハマスが統治するガザ地区では23,000人以上が殺害されたという。

急速に拡大する人道危機への世界的な懸念が高まっており、ブリンケン国務長官は、この地域の最も緊密な同盟国であるイスラエルに対する米国の政治的・軍事的支援の継続を表明する一方で、急増する民間人の死者数を減らすための措置を講じるよう求めている。

イスラエルの包囲によって引き起こされた深刻な物資不足は、「ガザの民間人、特に子供たちの日々の犠牲者があまりにも多すぎる」ことを意味すると、ブリンケン国務長官は9日、ベンヤミン・ネタニヤフ首相との共同記者会見で述べた。

アメリカの直近の危機外交のさなか、ガザ戦争は鎮静に向かうことなく激化した。イスラエル軍は、数十人の「テロリスト」を殺害し、ガザ中心部のマガジ地区と南部のハーン・ユーニス地区で150の標的を攻撃したと発表した。

部隊はアル・マガジで15のトンネル立坑、ロケットランチャー、ミサイル、ドローン、爆発物を発見し、イスラエルに向けて発射されているロケットを製造する機械を破壊したとイスラエル軍は発表した。

ガザ保健省によると、240万人が住むガザ地区では、一晩の攻撃で70人が死亡し、130人が負傷した。国連によれば、ガザ地区では大部分の人々が避難し、病気と飢餓の危険にさらされている。

この戦争は、10月7日のハマスによる前例のない襲撃を受けて始まり、公式発表に基づくAFPの集計によると、イスラエルでは民間人を中心に約1,140人が殺害された。

また、武装勢力は約250人の人質を取り、イスラエルによれば、そのうち132人はまだガザに残っており、そのうち少なくとも25人が殺害されたとみられる。

イスラエルは容赦ない軍事作戦で報復し、ハマスが運営する保健省によると、少なくとも23,210人が殺害され、そのほとんどが女性と子供だという。

イスラエル軍は、ガザ地区内で186人の同軍兵士が死亡したと発表している。

国連は、すでに戦前から長年にわたる封鎖と貧困に耐えていた包囲地域内では190万人のガザ住民が避難したと推定している。

その一人である、ハッサン・カスキンさん(55)はAFPに「私たちはお金も家も仕事も失いました。若者も失いつつある」と語った。

「祖国のために子供たちを犠牲にしてきたのです」

ブリンケン国務長官は戦争勃発以来4度目となる中東歴訪中で、トルコ、サウジアラビア、アラブ首長国連邦も訪問した。

米国政府は、再編されたパレスチナ自治政府が、1967年以来イスラエルの占領下にあるヨルダン川西岸地区の町や都市と合わせて、ガザも統治するという戦後シナリオを描いている。

ブリンケン国務長官は9日、「イスラエルは、隣人としてイスラエルと平和に共存することを望むパレスチナの指導者のパートナーでなければならない」と主張した。

ヨルダン川西岸地区で暴力が再燃するなか、ブリンケン国務長官はまた、「過激な入植者による暴力が平然と行われていること、そして入植地の拡大、取り壊し、立ち退きなどのすべてが、イスラエルが永続的な平和と安全を達成することを容易にするどころが、むしろ困難にしている」と述べた。

同国務長官はまた、「パレスチナ自治政府にも、自らを再編し、統治を改善する責任がある」と付け加えた。

イスラエル史上最も右翼的と広くみなされている政府を率いるネタニヤフ首相は、パレスチナ国家樹立に向けた交渉の復活にはまったく関心を示していない。

ヨアヴ・ガラント国防相がまとめた戦後計画では、イスラエルがハマスを解体した後、地元の「市民委員会」がガザを統治することを想定している。

ブリンケン国務長官は、ネタニヤフ首相の見解が話し合いの中で変化したかどうかについての言及は避けた。

イスラム主義運動のハマスは2007年にガザ地区を全面掌握し、権力を共有していたアッバース大統領のファタハ党を追放した。

米国と欧州連合(EU)はハマスを「テロリスト」組織としてブラックリストに載せている。

カタールを拠点とするハマス指導者イスマーイール・ハニーヤ氏は先週、ガザとヨルダン川西岸地区におけるパレスチナの単一政権の「構想に前向き」だと述べた。

ブリンケン国務長官はまた、エジプトからの限定的な人道支援物資しか届いていないガザに対し、「より多くの食料、水、薬を」と訴えた。

AFPの映像によると、9日、絶望したガザの人々は、小麦粉や缶詰を積んだトラックの上に登り、下にいる群衆に食料を投げた。

ダニエル・ハガリ軍報道官は9日、イスラエルには「世界が与えてくれるかぎりの人道支援を促進する用意と意志がある」と述べた。

ガザ紛争が始まって以来、イスラエルと、イランが支援する武装集団、特にレバノンのヒズボラ、そしてシリア、イラク、イエメンの武装組織との対立が激化する恐れが高まっている。

ガラント国防相は9日、ブリンケン国務長官に対し、イランへの圧力強化は「重要」であり、地域の紛争拡大を防ぐことができると述べた。

イエメンの反政府勢力フーシ派は、紅海を航行するコンテナ船を何度も攻撃しており、米国はこの重要な海上交通輸送路を守るため、多国籍海軍機動部隊を配備した。

9日、同反政府勢力が「複合的な攻撃を開始した」と米中央軍は述べ、米英軍は18機のドローンと3発のミサイルを撃墜したが、死傷者や被害は報告されていないと付け加えた。

国務省の当局者によれば、ブリンケン国務長官は9日に米第5艦隊の本拠地であるバーレーンを電撃訪問し、ハマド国王と戦争の地域的拡大を防ぐための協議を行う予定だという。

AFP

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