
スーダンは9カ月にわたり、軍司令官のアブドゥルファッターフ・アル・ブルハン氏と、彼の元副官で準軍事組織を率いるモハメド・ハムダン・ダガロ氏の対立をきっかけとした内戦に引き裂かれている。
ジャジーラ州:スーダンの軍事組織どうしの衝突により首都ハルツームで空爆がおこなわれ、少なくとも33人が死亡したと、民主派の弁護士らが12日未明に発表した。
スーダンは9カ月にわたり、軍司令官のアブドゥルファッターフ・アル・ブルハン氏と、彼の元副官で準軍事組織を率いるモハメド・ハムダン・ダガロ氏の対立をきっかけとした内戦に引き裂かれている。
軍事衝突位置情報・事象データプロジェクト(ACLED)の推定によれば、この内戦で少なくとも1万2190人が死亡し、国連によれば700万人以上が居住地を追われた。
11日、ハルツーム南部のソバ地区への空爆により民間人23人が死亡し、多数が負傷したと、緊急弁護士会(Emergency Lawyers)は述べ、制空権を握る軍を非難した。
弁護士会はまた、同じくハルツーム南部での砲撃により10人の死亡が確認されたと述べた。
「抵抗委員会」と呼ばれる現地組織も同様の被害を報告し、「住宅地と市場への砲撃により民間人10人が死亡した」と発表した。
4月なかばに首都で勃発した内戦の戦火は南部に拡大し、最近になって数十万人が避難するスーダンのジャジーラ州に到達した。
度重なる戦争に傷ついた首都の路上では現在も戦闘が続いており、ダガロ氏の即応支援部隊(RSF)が実効支配を敷く一方、ブルハン政権も依然スーダン政府として声明を発表し続けている。
RSFはダルフール地区西部をほぼ完全に掌握し、さらに昨年12月にジャジーラ州へと深く進軍して、同国に残された数少ない安全地帯を蹂躙した。
抵抗委員会は戦時下の支援をおこなっており、かつては民主化デモも組織したが、2021年に起こったブルハン氏とダガロ氏によるクーデターにより、スーダンの民政移行は頓挫した。
やがて両司令官は決裂し、内戦へと発展した。
ダガロ氏は昨年12月、紛争開始後初となる外遊として、アフリカの複数の国々を首都を訪れた。
アディスアベバでダガロ氏は、元スーダン首相のアブダッラー・ハムドゥーク氏とともに共同宣言に署名した。これについて専門家は、自身を中心的な対話者と位置づける動きであるとみている。
軍とRSFはいずれも軍事衝突中の戦争犯罪の非難を受けている。現在までに米国とサウジアラビア、直近では東アフリカの国々からなる政府間開発機構(IGAD)が国際的仲介を試みてきたが、いずれも失敗に終わっている。
AFP