トゥルカレム:占領下にあるヨルダン川西岸地区で、パレスチナ系住民らは19日、イスラエルが数日間にわたって実施した襲撃の被害状況を確認し、葬儀を執り行った。同地区ではガザで戦争が始まって以来、暴力行為が急増している。
AFP通信のカメラマンによると、トゥルカレムの病院では7人の遺体のそばに住民が集まり、そのうち1名の父親が片隅で涙を流していたという。
イスラエル軍はほぼ2日間トゥルカレム地域を急襲した後、19日に撤退した。同軍は、襲撃中に部隊が「少なくとも8人のテロリスト」を殺害したと発表した。
葬列がトゥルカレムの難民キャンプを通過する中、哀悼者らは殺害された人々に花を手向け、覆面をし銃を持った者たちが空に向けて発砲した。
AFPのカメラマンによれば、布で覆われた遺体の上にはその後自動小銃が置かれたという。
1967年以降、イスラエルはヨルダン川西岸地区を占領しており、軍隊が定期的にパレスチナ人の居住地に侵攻している。
ガザ地区でイスラエルとハマスとの戦争が3か月以上前に始まって以来、襲撃は激しさを増しており、空爆を伴って何日間も続くことが多くなっている。
イスラエル軍は、トゥルカレム周辺の建物を約1,000棟捜索し、数百人を尋問し、そのうち数十人を逮捕したと述べている。
擁護団体の「パレスチナ人捕虜クラブ」は18日、拘束者の数名をイスラエル軍が激しく殴打したと発表した。
この疑惑に関するAFPの質問に対し、同軍から直接の回答はなかった。
軍は声明で、部隊が武器を押収し、「爆発物の製造研究所5棟」を破壊したが、襲撃中に兵士1名が重傷を負ったと述べている。
AFPの記者らはトゥルカレムで、損傷した救急車、破壊された家屋、壁にぽっかり穴の開いた建物など、広範囲に及ぶ破壊を目撃した。
難民キャンプは泥と瓦礫であふれかえり、立ち入るには掘削機が複数必要だった。
パレスチナ保健省によると、10月7日にイスラエルとハマスとの戦争が始まって以来、ヨルダン川西岸地区ではイスラエル軍とイスラエル人の入植者によって360名を超える数の人々が殺害されている。
捕虜クラブによると、同期間に6,000名を超えるパレスチナ人がイスラエル軍によって逮捕されている。
AFP