
ロンドン:紅海で続くフーシ派による海運への攻撃は「見当違い、無謀、無差別」であると、米国のイエメン特使はアラブニュースが出席した水曜日のブリーフィングで述べた。
ティモシー・レンダーキング特使は、フーシ派の活動は一般のイエメン人と、彼らが支援すると主張するパレスチナ人の双方に害を及ぼしていると述べた。
前日はリヤドに滞在し、オマーンのサイード・バドル・アル・ブサイディ外相と会談した後、マスカットからブリーフィングを行った特使は、「フーシ派の攻撃はパレスチナ人への援助を妨げ、また世界貿易を混乱させている」と述べた。
そして「スエズ運河に入港する国際海運だけでなく、イエメンの港湾都市ホデイダの交通も、今年に入って15%減少し、同国への必要物資の流入を妨げている。同地域で続いている軍事活動は、地元産業、特に漁業を混乱させており、これが地元経済、そして野生生物にも悪影響を及ぼしているとし、フーシ派はパレスチナ人を助けていると主張するが、かえって彼らを傷つけている。我々は皆、イエメンがこの地域の安定の源となることを望んでいる」と続けた。
さらに「フーシ派の攻撃が止まれば、我々は(イエメンの)和平プロセスと、パレスチナの問題に目を向けられるようになる。「フーシ派の無謀さ」を助長しているのはイランであり、武器を提供し、攻撃を可能にし続ける(テロの)主要なスポンサーである。地域全体に不安定要素をまき散らしている」と付け加えた。
レンダーキング氏は、フーシ派がテロリストに指定され、アメリカがイエメン国内のフーシ派の拠点を戦闘活動や資金調達の妨害のために攻撃しているとしながらも、アメリカはフランスやイギリスとともに外交的解決を望んでいると主張した。
オマーンとサウジアラビアでの会談は、イエメン和平プロセスに対するワシントンの「揺るぎない」コミットメントを示すものだとし「米国は、紅海での非エスカレーション化を求めており、フーシ派は攻撃を続けることはできない」と明言している。
フーシ派は「まだ後戻りし、和平プロセスに戻ることができる」と特使は述べ、フーシ派と、国際社会に承認されたイエメン政府を仲介するサウジの役割を賞賛した。
「私は、リヤドで幅広い政府関係者やイエメン政府関係者と会談を続けている。こうした協議は、対立する当事者間に存在する相違を狭める上で、非常に重要なものだと思う。サウジアラビアとフーシ派が歩み寄り、同王国がフーシ派とイエメン政府を仲介しているという事実は、私たちに、9年間の内戦を乗り越えて和平を達成する希望を与えてくれます」と付け加えた。
しかし特使は、国際社会の信頼を取り戻すためにはフーシ派側の行動が必要だと警告した。
「残念ながら、国際海運に対するこうした攻撃は、フーシ派の信頼性を損なっている」と彼は述べ、昨年11月に拉致されたギャラクシー・リーダー号の乗組員25人を解放するよう求めた。
レンダーキング氏は、国際社会はガザ戦争を口実にイエメンの和平プロセスを諦めるようなことがあってはならないと付け加えた。
彼は、アメリカの 「長年のイスラエルの安全保障に対するコミットメント 」を擁護したが、それは、もちろん民間人への横暴な攻撃を意味するものではない と付け加えた。