Since 1975
日本語で読むアラビアのニュース
  • facebook
  • twitter

サウジ建国記念日:今はサウジアラビアの若者にとって刺激的な時代

Short Url:
22 Sep 2023 02:09:13 GMT9
22 Sep 2023 02:09:13 GMT9

今の若者は何を望んでいるのだろうか。変わり続けるダイナミックな世界においては、今の若者が現在と未来に何を望んでいるのかを知ること(そして彼らが目指し望む全てのことを実現する手段を提供・促進すること)は、あらゆる国の政策にとって成功の尺度である。そしてサウジアラビアは、若者の活用を最優先事項とするビジョン2030を採用して以来、成功の実績を重ねている。 

サウジ建国記念日を迎えようとしている今、これらの取り組みを先導しているムハンマド・ビン・サルマン皇太子殿下の成功と先見的なリーダーシップに我々は大きな誇りを持ち、感謝の念を抱くとともに刺激を受けている。 

あらゆる社会においてそうであるように、若者にとっての最大の懸念は失業である。最新の「アラブ若者調査」では、サウジアラビアの若い男女は自国で進行中の経済・社会改革に対して強い支持を表明している。約90%が学卒者・中退者の民間部門でのキャリア追求を奨励する政策を支持すると回答し、91%が経済全体における民間部門の役割の拡大を支持し、96%が国内で具体化しつつある様々な観光・レジャーのギガプロジェクトに賛成している。経済多角化や雇用創出の促進を目指すこれらの政策に対する賛成の大合唱である。 

高失業率が数十年続いたサウジアラビアだが、現在の失業率は際立って低い。(特に女性の)労働力参加率の増加とともに、全体の失業率は2022年末には4.8%にまで低下した。若者の失業率は2年で半減し16.8%となり、2022年の女性の労働力参加率は(ビジョン2030の目標値30%を上回る)36%に達した。総合統計庁(GASTAT)の最新報告書によると、サウジの労働市場の主要指標は1年前と比較して改善しており、労働力参加率と雇用人口比率がいずれも上昇している。 

サウジアラビアは世界の舞台において経済大国としての地位を確固たるものにしている。その理由は、GDPが1兆ドルを超えていることや、主要な石油・天然ガス生産国としての地位だけではない。観光、音楽、芸術、スポーツの主要ハブとしての、また再生可能エネルギー、持続可能な都市開発、人工知能(AI)の拠点としての地位を確立しているのだ。国際通貨基金(IMF)理事会の最近の報告書によると、サウジアラビアは2022年にG20の中で最も高い成長率を示した。 

サウジアラビアは、計画、マネジメント、マーケティングの成功を通して、また若者という強力なエンジンによって、生活空間、観光目的地、開発などの分野で新たなフロンティアを作り出している。同国経済は今や、堅調な原油生産だけではなく、力強い個人消費やギガプロジェクトを含む非石油部門投資による非石油GDPの成長によっても牽引されている。非石油部門の成長の主な原動力は卸売、小売、建設、運輸である。 

それにより、より良い未来に向けた楽観的で希望に満ちたムードが生まれており、若者が大志を抱くことができるようになっている。だから、「アラブ若者調査」がサウジアラビアを他の国々が見習うべきモデルとして取り上げていることは驚きではない。その理由は、我が国の経済的繁栄と雇用機会だけではなく、家庭にとっての生活の質、改革された教育制度、現代性と伝統が有機的に結合した多様な文化にある。 

より良い未来に向けた楽観的で希望に満ちたムードがあり、若者は大志を抱くことができる 

マハ・アキール 

「アラブ若者調査」では、若者は失業に加え汚職、生活費上昇、経済の不安定性、気候変動などを最大の懸念として挙げている。重要なのは、これらの懸念に対処する政府の能力と、政府が正しい方向に向かっていることを、若者が強く信頼していることだ。これはサウジ指導部とビジョン2030のアジェンダに対する明確な信任表明である。 

さらに、サウジアラビアは若者の成功・成長を可能にする適切な環境の創出に力を入れることで、人口ボーナスから恩恵を得ることに成功している。その重要な側面として、スタートアップ、インキュベーターイニシアティブ、ベンチャーキャピタルファンドなどに対する支援・投資がある。 

サウジアラビアの起業家精神を示すように、7年前のビジョン2030始動以降、中小企業(その多くは女性や若者が率いている)の数は2倍以上に増加して100万社を超えている。 

また、政府よりも民間部門で働きたいという傾向が存在する。これは過去数十年の考え方からの大きな変化である。それを裏付けるのは、GASTATの最新報告書が示している、失業者の94.5%は民間部門での雇用を受け入れる気があるという数字だ。 

世界経済フォーラムの最新報告書「雇用の未来」は、サウジアラビアでこれから最も急成長する職種はテクノロジーとデジタル化によって牽引されるだろうと述べている。我が国の若い人材がハッカソンイベント、フィンテックスタートアップ、革新的なテックソリューションなどに熱意を持って参加し、国際的な科学技術コンテストで賞を獲得しているのを見ると、彼らがいかにテックに精通し創造的であるかが分かる。AIや機械学習の専門家に対する需要の急増が見込まれる中、またほとんどの企業がデジタルトランスフォーメーションを進めている中、我が国の若い男女はデジタル世界で闘う用意ができている。 

大学の教壇に立つ筆者は、活力があり楽観的で創造的な若者たちに囲まれている。彼らは変化やインパクトや持続可能な発展について考えている。彼らはこれまでの世代と比べてはるかに熱心で意識的で好奇心旺盛で、通信や技術を通して世界とつながっている。彼らは野心、目標、関心事を持っており、それらを躊躇せずに表現する。しかし、それ以上に重要なのは、彼らが危険を冒し、自分を試し、変化を起こすことを恐れていないことだ。 

ムハンマド・ビン・サルマン財団や国家変革プログラムなどのイニシアティブは、若者を参加させ、彼らの技能を開発し、その才能を活用することに焦点を当てており、それが彼らに自信とやる気を与えている。 

今はサウジの若者にとって刺激的な時代だ。 

  • マハ・アキール氏はサウジアラビアのコミュニケーション、社会開発、国際関係の専門家。国連の「女性幹部人材パイプライン」のメンバーでもある。X(旧ツイッター): @MahaAkeel1 
特に人気
オススメ

return to top