ドバイ：イランの最高指導者は日曜日、新型コロナウイルスはアメリカによって人工的に作られた可能性があるという根拠のない陰謀説を引用し、ウイルスと戦うための米国の援助を拒否した。

アヤトラ・アリ・ハメネイ氏のコメントは、イランが原油の販売と国際金融市場へのアクセスを阻止する強度な米国の制裁に直面しているときに出された。

最近イランの民間当局者はこれらの制裁をますます批判しているが、80歳のハメネイ氏はパンデミックの責任をそらすため、代わりに新型ウイルスについて中国当局者がますます頻繁に使用している同じ陰謀説を使用することを選んだ。

「（提供される）薬は、ウイルスをさらに拡散させるかもしれない」とハメネイ氏は述べた。「あるいは、米国がセラピストか医師を派遣したら、彼はただ毒の効果を調べたいだけなのかもしれない。ウイルスの一部はイランのために作られたという話もあるのだ。」

ハメネイ氏のコメントを支持する科学的証拠は世界中どこにもない。 しかし今月初め、中国政府のスポークスマンLijian Zhaoは「武漢に伝染病をもたらしたのは米軍かもしれない。明白になれ！ データを公開しろ！ 米国は我々に説明すべきだ！」とツイートした。

Lijianはもちろん、彼の主張を支持する証拠を提供しなかった。このことで、米国国務省は中国の大使を呼び出し、苦情を言った。

武漢は、12月に最初の病気の症例が出た中国の都市だ。 最近では、トランプ政権はこのウイルスをより頻繁に「中国ウイルス」あるいは「武漢ウイルス」と呼んでいるが、世界保健機関はCOVID-19という用語でウイルスが引き起こす病気を呼んでいる。 アーカンソー州の米国上院議員でさえ、それが中国の人工の生物兵器であるという根拠のない陰謀説を持ち出した。

新型コロナウイルスはほとんどの人に発熱や咳などの軽度または中程度の症状しか引き起こさない。一部の、特に高齢者や既存の健康上の問題を抱えている人々にとっては、肺炎を含むより深刻な病気を引き起こす可能性がある。大多数の人は新型ウイルスから回復する。

科学者たちは、どのように新型コロナウイルスが最初に人々に感染したのかを正確に定めていない。コウモリに由来することを示唆する証拠があり、それが別の動物に感染し、さらに武漢の市場の人々に広めたという。

今や閉められた華南海鮮卸売市場では、オオサンショウウオ、ワニの赤ちゃん、タヌキなどの多くの種が、飼育されたにも関わらず、しばしば野生動物として宣伝されていた。

科学雑誌Nature Medicineで先週発表された記事では、ウイルスが「意図的な操作の産物ではない」という「強力な証拠」があると述べている。「（このウイルスが）関連するSARS-CoVのようなコロナウイルスの実験室での操作を通じて出現したことは、まずあり得ない」と同論文の著者は結論した。

ハメネイ氏は、ペルシャの新年であるノウルズを記念して、日曜日にイラン全土で生放送されたテヘランでの演説でこのコメントを発表した。彼は、ウイルス発生のため、マシュハドのイマーム・レザ寺院での通常の演説を中止していた。

イランで、新型コロナウイルスの20,600以上の症例が確認され、死者1,556人が報告される中で、彼のコメントは寄せられた。

イランはこの新型ウイルスによって世界で最も打撃を受けた国の1つだ。 イランは中東全域のウイルスの症例10中8を占め、このイスラム共和国の国外に出た人々はウイルスを他の国に持ち込んだ。

非難の転換は、イラン政府にとって役立つのかもしれない。ウクライナのジェット旅客機を撃ち落し、176人の死を招いたことを数日間否定した同政府は、広範な国民の怒りに直面した。また根強い経済問題も、近年数百人が殺害されたとされる大規模なデモをもたらした。

AP