
米軍機上空:イスラエルとレバノンのヒズボラがこれ以上エスカレートすることなく応酬したことで、中東における大規模な戦争の短期的リスクはいくらか緩和されたが、イランはイスラエルへの攻撃を検討しており、依然として重大な危険を孕んでいる、とアメリカ軍トップの司令官が月曜日に語った。
C.Q.ブラウン空軍大将(統合参謀本部議長)は、ヒズボラがイスラエルに向けて数百発のロケット弾と無人機を発射し、イスラエル軍が大規模な攻撃を阻止するためにレバノンを迎撃したわずか数時間後にイスラエルに飛んだ。
10ヶ月以上にわたる国境紛争で最大級の衝突となったが、イスラエル国内での被害は限定的で、双方からの報復の脅威もなく終わった。
ブラウン大将は、ヒズボラの攻撃は、ここ数週間で出現したイスラエルに対する2つの主要な攻撃の脅威のうちの1つに過ぎないと指摘した。イランもまた、先月ハマスの指導者がテヘランで殺害されたことで、攻撃を予告している。
地域戦争の当面のリスクは低下したかと尋ねられ、ブラウン氏は 「多少はそうだ」と答えた。
「予想されていたことが2つある。一つはすでに起こった。あとはもうひとつがどうなるかにかかっている」とブラウン氏はイスラエルから出立しながら語った。
「イランがどう対応するかによって、イスラエルがどう対応するかが決まる」
ブラウン氏はまた、イラク、シリア、ヨルダンなど、米軍を攻撃してきたイランの過激派同盟国や、紅海の船舶を標的にし、イスラエルに無人偵察機まで発射してきたイエメンのフーシ派がもたらすリスクもあると警告した。
「特にフーシ派がそうだ」とブラウン氏は言い、このシーア派を「ワイルドカード」と呼んだ。
イランは、先月末にハマスの指導者イスマイル・ハニヤ氏がテヘランを訪問した際に殺害され、イスラエルのせいだと非難したことに対し、厳しい対応をとることを宣言した。イスラエルはその関与を肯定も否定もしていない。
ブラウン氏は、イランがイスラエルに前例のない攻撃を仕掛け、何百機もの無人機、巡航ミサイル、弾道ミサイルを放った4月13日に比べれば、米軍はイスラエルと中東における自軍の防衛を支援する体制が整っていると述べた。
それでも、その際イスラエル、アメリカ、その他の同盟国は、兵器が目標に到達する前に、ほぼすべての兵器を破壊することに成功した。
「我々はより良い態勢を整えている」とブラウン氏は語った。彼は、中東に2つの空母打撃群とF22戦闘機の追加飛行隊を維持する日曜日の決定を指摘した。
「我々は、4月に行ったことを改善しようとしている」
ブラウン氏は、イランの軍隊がどのような計画を持っているとしても、それはイランの政治指導者の決断次第だと述べた。
「イランは何かメッセージを送りたいのだろうが、同時に、より大きな紛争を引き起こすようなことはしたくないのだろう」
ガザの影響に苦しむ
ジョー・バイデン米大統領の政権は、ハマスとイスラエルによるガザ紛争からの影響を抑えようとしている。この紛争は、ガザの広大な地域を壊滅し、イスラエルとレバノンのイランに支援されたヒズボラとの国境衝突を引き起こし、イエメンのフーシ派を引き入れている。
ブラウン氏は月曜日にイスラエル軍の北部司令部を訪れ、イスラエルとレバノン、シリアとの国境沿いの脅威について説明を受けた。テルアビブでは、ガラント国防大臣とヘルツィ・ハレビ参謀総長に会った。
レバノンのヒズボラの軍事力、特にイスラエルによる攻撃後について尋ねられたブラウン氏は、「彼らはまだ戦力を持っている」と警告した。
現在のガザ地区での戦争は、2023年10月7日に始まった。ハマスの武装集団がイスラエルのコミュニティーに突入し、イスラエルの集計によれば、約1200人が死亡、約250人の人質が拉致された。
それ以来、イスラエルの軍事作戦は、パレスチナの飛び地の230万人のほぼ全員を家から追い出し、致命的な飢えと病気をもたらし、パレスチナの保健当局によれば、少なくとも4万人が死亡した。
ロイター