
カリーン・マレク
ドバイ: 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行を受け、今年は世界中のキリスト教徒たちが通常とは違った形でイースターに向き合っている。
COVID-19の感染拡大を抑止するための国家的な取り組みとして、UAEでは現在、信仰の場が閉鎖されている。
ドバイ在住のレバノン人、アリーネ・ハチャドゥリアン・ムジャリにとって、イースターは最も好きな祝日のひとつだという。ここ数年は夫のジャドの故郷であるレバノンのアッカールで、彼の家族や友人たちとイースターを祝っていた。
「皆が彼の両親の家に集まり、お母さんが料理を振る舞ってくれるんです」アリーネはアラブニュースに対してそう話す。「今年は残念ながらそうはいきません。彼と私、2人だけでここドバイで過ごすことになります」
空港閉鎖および航空便の運行停止により、彼ら――そして他の多くの人々も同様に――は大切な人々から離れた場所でこの特別な週末を過ごさなければならない。
「私たちの置かれている状況を考えると、ちょっと厳しいですね」アリーネはそう話す。「家に籠もりっきりなので、できることと言えばZoomを使って家族と話すことくらいです」
UAEにおけるキリスト教徒の人口
111万人 (12.9%)
情報元:ピュー・リサーチ・センター (2020年予測)
ムジャリ夫妻は自宅で宅配料理を注文し、祈りを捧げ、家族とオンラインで会話する予定だという。「通常であれば教会に行き、祈り、大切な人たちと美味しいランチを食べる、そんなイースターは私にとって重要な祝日です」ムジャリはそう語る。「今年は違います。教会に行くことはできません。でも、この状況が近いうちに終わってくれることを願っています」
ドバイ在住のレバノン人キリスト教徒であるアンドレア・パオリにとって、今年はイースターの精神を感じることが難しいという。
「この状況でイースターを祝うというのはとても奇妙な感じです」アラブニュースに対して彼女はそう語る。「私にとって今回の経験で一番の教訓になったのは、信仰を持つ上で祝日にあらゆる儀式や行事を行う必要はないということです」
パオリは、今年のイースターが自分の核となる信仰を深く見つめ、再確認するための良い機会になると考えている。
「世界がこの見えない敵との戦いのために団結するなかで、素晴らしい支援の動きや他人を思いやる気持ちを皆が見せています」彼女はそう話す。「人々は環境や自然との関係を見直しています。国際的な団結や、深い感謝の気持ちが示されています。隔離された状況でのイースターの祝祭は、確実に愛のメッセージをより強力なものにするでしょう」
[caption id="attachment_12793" align="alignnone" width="500"]ドバイ在住の英国系パレスチナ人であるソラヤ・ジュジにとって、イースターは「非常に大きな存在」だという。彼女はこの祝日を、心と体を清めるための時間だと考えている。
「自分を見つめ直す時間なんです。今年はその意識がより一層高まっています」彼女はそう語る。「自分自身とどのように繋がりを持ち、自分に必要な強さ、導き、明晰さを得るための時間として、より一層共鳴するものがあります」
ジュジは両親もドバイ在住のため、イースターを両親と共に祝うことができる数少ない幸運な人々のうちの1人だ。
「両親と過ごす時間を満喫したいと思います。家中のキャンドルに火を灯し、イースターの料理を作り、子供たちのイースターエッグ探しをZoomで見守るつもりです」アラブニュースに対して彼女はそう語る。「例年通り、ベツレヘムでの深夜ミサがライブ中継されることを願っています」
ジュジは今家族と共にいられるのは幸運なことだと思っており、キリスト教徒の友人たちとはZoomを通じてその幸運を最大限に分かち合いたいと望んでいる。
「同じ信仰を持つすべての人々と喜び、祝福しあい、皆が活力で満たされることは、特にこういった状況では重要なことです」ジュジはそう話す。「たくさんの愛が巡り巡っているのは、美しいことです。愛を感じることは私たちにとって重要ですし、私は家族と共にここで過ごせることに感謝しています」