

ダウド・クッタブ
アンマン:ベンヤミン・ネタニヤフ首相と首相と対立するベンヤミン・ガンツとのあいだに交わされた合意の抜け穴を利用し、アラブ諸国は占領地の土地を併合しようとするイスラエルの計画を阻止することができる。
ネタニヤフ・ガンツ統一計画中の2つの項目についての非公式翻訳をアラブニュースは入手した。それによれば、イスラエルは既存の和平協定を維持しなければならないとのことだ。
イスラエルはエジプトおよびヨルダンと和平協定を結んでいる。エジプトとの協定の成立は1979年にまで遡り、それはアラブ諸国とのあいだに交わされた初めての協定だった。ヨルダンとの協定は1994年に調印された。
一年間続いた政局の膠着状態の後に成立したネタニヤフ・ガンツ統一計画は緊急政権の樹立を計画しており、早ければ7月1日より条件付きの併合を支持することになる。調印は4月20日だった。
統一計画の項目28および29は次のように述べている。「ドナルド・トランプ大統領の宣言に関して、首相および副首相は、アメリカとの地図問題およびこの問題に対する国際対話に加わりながら、地域の安定と既存の和平協定の維持、将来の和平協定についての議論の必要性を含めたイスラエル国の安全と戦略的利益の維持を常に追求すると同時に、米国の完全な同意を得て行動する」
ヨルダンおよびエジプトがイスラエルとの平和条約を一時停止する場合、統一計画によれば、それは併合を進めない理由になるだろう。統一計画では、地域関係や和平協定に悪影響がないことが併合の条件になっている。
ハイファに本拠地を置く国際相談センター所長、ワディ・アブナッサールは、ヨルダンとエジプトがイスラエルとの和平条約を交渉の場に持ち出せば、イスラエルの「極右の狂気」を食い止めることができると述べた。
ハニ・アル・マスリはマサラトにあるパレスチナ政策研究・戦略調査センターの局長だ。アラブ勢力には併合を阻止する機会があったことを彼は述べた。「この抜け穴を使うことには賛成します。ですがそれには、ヨルダン、エジプト、アラブ諸国、ヨーロッパ、中国、ロシア、そしてすべてのパレスチナ人支持者たちを併合を阻止するための真剣な行動へと促すことが可能な、統合され、効果的なパレスチナ戦略が必要です」と彼はアラブニュースに語った。
ネタニヤフは2月、トランプの提案した平和計画に従い、パレスチナ人が国を求めるヨルダン川西岸地区の土地を併合するための地図の作成に着手したと述べている。大統領の計画は、イスラエルのヨルダン渓谷への入植および統治についての米国の承認を含み、イスラエルが長年求めていたことの多くを満たすものだった。
NGO団体ピースナウの広報担当であるブライアン・リーブスは、併合が地域の力関係に深刻な影響を及ぼすだろうと警告した。「併合はエジプトとヨルダンとの関係に前例のない被害をもたらすだろう。イスラエルはエジプトとヨルダンと平和条約を締結しており、一方的な併合の合意に至ることはできない」と彼はアラブニュースに語った。
併合の提案はまた、米国に本拠地を置き、新イスラエル派であり平和主義であると自称するロビー団体Jストリートをも驚かせた。併合はイスラエルの利益にとってもパレスチナの権利にとっても「悲惨な」ことになるだろうとJストリートは述べた。
「いかなる併合も、イスラエルと並んで独立するパレスチナ国家の樹立を阻止するための意図と、イスラエル・パレスチナ間の紛争の交渉による解決をもって行われるだろう。これはイスラエルの利益とパレスチナの権利の不愉快な侵害にとって悲惨なことになる」とJストリートは声明で述べた。