
モハメド・エルシャマ
カイロ:エジプトのハラ・ザイード保健相は水曜に「コロナとの共存」計画を発表したが、新型コロナウイルスの大流行がすぐに終息することについて政府は楽観視していないと多くの人が感じている。
水曜までに、エジプトでは新型コロナ検査で陽性となった人の数が5,268人に達し、380人が死亡した。
この「共存」計画は、あらゆる場所で社会的距離を保ち続け、14日ごとに対策を再評価することに基づいており、この計画はラマダンの終わりを示すイード・アル=フィトルの休日の後に開始される。
ザイード保健相は声明の中で、この計画は、規制を定め、従わない者がいたら直ちに罰則を科すために、すべての省庁と執行機関、監視機関の協力が必要だと述べた。この計画の第一段階には、機関、モール、市場、建設業界、工場、公共交通機関などといったさまざまな分野で個人や企業が遵守すべき一般的なガイドラインが含まれている。
一部の店舗は再開されるが、国民はeサービスやデジタル決済の利用を継続することが奨励され、オンラインショッピングや宅配などを強化してウイルスの拡散を防ぐことに重点が置かれる。
また、事業所訪問者の体温測定、職場で新型コロナの症状が出ているスタッフの隔離室の設置、一度に立ち会うスタッフの人数の削減、石鹸やティッシュなどの衛生用品の提供、塩素による表面の継続的な消毒、可能な限りの適切な自然換気の維持、空調の使用を最小限に控えるなどといった対策も含まれる。
「予防こそが解決策です」と公衆衛生学のガダ・ナスル教授は語る。「これからやってくる共存の時期には、社会的距離を保ち、集会や人の集まりを最小限にし、手袋やマスクをつけ、定期的に手を洗い続けることが非常に重要となります」。同教授は、一般的な衛生状態を維持し、くしゃみや咳をするときには顔を覆うことが不可欠だと付け加え、「ビタミンDを含む免疫力を高める食品」を食べ、職場と家庭の両方で警戒を続けるようアドバイスした。
「感染数は増減する可能性があります。状況は完全に不透明です。おそらく科学者たちは、ワクチンの開発や治療法の発見に成功するでしょう。しかし、1人1人が自分の健康を守ることがとても重要です」とナスル教授は述べた。
カイロのアメリカン大学で政治学を専門とするタレク・ファーミー教授 は、政府が発表したこの計画は、人々の命を守ることを目的としていると考える。同教授はまた、この計画は、一部の経済部門が再び活動を開始できるよう、予防措置と「現在置かれている例外的な状況からの段階的な脱却」を行うためのものだ、と述べた。
他の国々もロックダウン措置を緩和し、経済を再開する計画を採用していると指摘し、政府は危機にうまく対処していると思うと同教授は付け加えた。
「コロナウイルスの危機はしばらく続くため、世界経済は2008~2009年の不況よりも深刻な危機に陥るでしょう」と述べ、各国は予防的措置を維持しつつ、徐々に経済を再開していくだろうと付け加えた。
「(エジプト)は、世界保健機関の指針に従いながら、国際的なビジョンに沿ったコロナとの共存計画を先回りして発表しました。したがって、エジプトは安全を維持し、予防策を講じる一方で、経済に不可欠ないくつかの部門を再開しています」と、同教授は語った。
社会学の専門家マグダ・ムスタファ氏は、アラブニュースに、中には社会的距離政策が原因で「社会的ショック」を経験している人もいるが、多くの人はそもそもこの危機の影響をあまり受けていないと語った。
「従って、共存段階では社会的な負担はないでしょう」とムスタファ氏は述べ、「この問題の解決にはしばらく時間がかかるでしょう」と付け加えた。