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トルコでゴーン容疑者逃亡の公判開始後、5人が釈放

公判を通じて逃亡の実態解明が進むことが期待されるが、トルコ検察は黒幕とみられるレバノン人実業家らの身柄を確保しておらず、どこまで真相に迫れるかは不透明だ。(AP Photo/Mehmet Guzel)
公判を通じて逃亡の実態解明が進むことが期待されるが、トルコ検察は黒幕とみられるレバノン人実業家らの身柄を確保しておらず、どこまで真相に迫れるかは不透明だ。(AP Photo/Mehmet Guzel)
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04 Jul 2020 10:07:15 GMT9
04 Jul 2020 10:07:15 GMT9

イスタンブール:日産のカルロス・ゴーン元会長が12月に、日本からイスタンブール経由でレバノンへの大胆な逃亡劇を演じた事件で、イスタンブールの裁判所は7月3日に公判開始後、容疑者5人の釈放を命じた、と地元のマスコミが報じた。

ゴーン容疑者は本人が否定しているが、会計上の不正行為とされる複数の犯罪で起訴されており、弁護士に自分のパスポートを3通預けていたにもかかわらず、何とか日本から抜け出した。

ゴーン容疑者は日本からイスタンブールの空港に到着し、そこから、逃亡以来今も暮らしているレバノンまで飛び、どちらもプライベートジェットで移動したと考えられている。

トルコ公式通信社、アナドル通信社によると、航空会社従業員のオカン・キョセメン容疑者と4人のパイロットは「移住者の不法密輸」の罪で起訴されていて、最高で懲役8年の刑を受ける恐れがあるという。

彼らは1月に逮捕されたが、7月3日に公判の終了を待つ間、裁判官により釈放された、とトルコ民営のデミルオレン通信(DHA)が報じた。

この容疑者たちは、海外旅行を禁じられた。

2人のキャビンアテンダントもまた、犯罪を報告しなかったことで起訴され、1年の懲役を求刑されているが、釈放されて裁判を待っている、とアナドル通信社は報じていた。

パイロットとフライトアテンダントは、嫌疑を否認している。

起訴状によると、ゴーン容疑者は70カ所の空気穴が付いた、「発泡スチロール加工された」大きな楽器ケースの中に入って、こっそり逃亡した、とDHAは報じていた。

トルコのマイケル・テイラー検察官によると、アメリカ陸軍特殊部隊の元隊員とレバノン国籍のジョージ-アントワーヌ・ザイェクは、ゴーン容疑者がイスタンブールを通過できるように、トルコの民間航空会社、MNGジェット従業員を誘った。

告訴状によると、ゴーン容疑者逃走劇の数カ月後、このMNG従業員の銀行口座には、数度にわたり振り込みがされており、総額は250,000ユーロ以上になっていたという。

しかし、事情聴取の後、オカン・キョセメン容疑者はゴーン容疑者逃亡ほう助のために、支払いを受けたことを否定した。その一方で、パイロットとフライトアテンダントは、どちらのプライベートジェットにも、ゴーン容疑者が乗っていることを知らなかったと供述していた。

ニコラス・メザロスと呼ばれる男が、Signalというコミュニケーションアプリを通じて知らせてきたので、ゴーン容疑者が搭乗していることを知るようになった、とキョセメン容疑者は法廷で述べた、とアナドル通信社は報じていた。

アナドル通信社では、キョセメン容疑者の妻の仕事先や、子供の通学先を知っている、と電話でメザロスに仄めかされた後、「この状況が心底怖くなりました」と、キョセメン容疑者が述べたと伝えられていた。

MNGは1月に、自社航空機が不法に使用されたとして提訴し、ゴーン容疑者を乗客リストから抹消するため、乗員乗客名簿の改ざんしたことを、どうやらある従業員が認めたらしいことも、このとき述べていた。

2018年に逮捕される前、ほぼ20年間日産を率いてきたゴーン容疑者は、日本から逃亡したとき、保釈中の身で公判を待っていた。

ゴーン容疑者の逃亡は、日本にとってかなり厄介であることが明らかになった。日本はこの日産の元会長の引き渡しを求めている。

レバノンは日本と犯罪者引渡条約を結んでいないので、今までのところゴーン容疑者の東京への送還要求に抗っている。

日産は2月、所謂「長年に及ぶ不正行為と詐欺的行為」に対して、ゴーン容疑者から約100億円(9,000万ドル)を回収するための民事訴訟を起こした。

AFP通信

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