
サイード・アル・バタティ
ムッカラー:イエメン南東部の自治体が、激しい豪雨で100軒以上が損傷を受けた歴史的な泥の摩天楼都市であるシバームを、崩壊から救うべく国際支援を求めている。
ハドラマウト県にある16世紀のこの城壁都市は「砂漠のマンハッタン」と呼ばれており、垂直構造物から成る大都市としては世界最古だ。
しかし月曜の豪雨で、このユネスコ世界遺産地区に500軒ある高層家屋のいくつかが半壊し、多くの家族が住居を出て隣人や親類の元に身を寄せざるを得なくなっている。
この地域の自治体は木曜日にサユーン市で会合を開き、シバームとその周辺地域の被害を査定すべく緊急委員会の設置に同意した。それと同時に自治体職員たちは、ユネスコや国内外の財政支援団体に修繕や復元のための資金援助を呼びかけた。
ジャーナリストでありシバームの住民でもあるアラウィ・ビン・スマイト氏は、「雨は激しい豪雨で、午後5時半から10時半近くまで降り続きました」とアラブニュースに語った。通りや下水設備や電力供給系統が浸水し、彼と彼の子息のアブドゥラ氏は泥の建築物に入った大きな亀裂の画像をSNSに投稿したという。
損傷した建物が崩壊しないうちに直ちに修繕用の緊急資金を支給するようにと彼はイエメン政府に要請した。
内戦が勃発して国際的な非政府組織や専門家たちがイエメンを出ていったために、重要な保守管理がされないままになっている。近年の豪雨に見舞われる以前から、この密集都市の多くの建築物がすでに崩壊の危機に瀕していたとビン・スマイト氏は述べた。
気象学者たちはここ数日でシバームやイエメンの中部と西部でさらに大雨が降ると予想しており、現在の救援活動もままならなくなる恐れがあると地元自治体職員のヒシャム・アル・スワイディ氏は警告した。
「今年は豪雨が立て続けに起きており、我々としても実際の損害を査定したり支援を提供したりする合間もありません。損傷を修復しようと動き出すと次の豪雨が同じ地域を襲い、事態が悪化するという状況です」とアル・スワイディ氏は述べた。
木曜日にはイエメン中部マリブ県内の自治体が、火曜日の豪雨で国内避難民3名が死亡し、5地区で5000世帯以上が身を寄せる避難所が損傷を受けたと発表した。食糧、避難場所、清潔な飲料水、薬などを何千もの家族が深刻に必要としている。
今年初めからこれまでに激しい豪雨がイエメンの多くの県を襲って何十名もの死者を出し、農地が浸水し、水道施設や電気施設が水没している。