
エルサレム:パレスチナ人活動家を地面に投げつけ、膝で首を押さえつけているイスラエル兵の映像が、パレスチナ領土内外で激しい怒りを引き起こした。
60歳代後半の男性抗議者ハイリ・ハノウンは、隣接するイスラエル入植地の拡大の動きに反対して、ヨルダン川西岸の北側にあるトゥルカルムの近くで火曜に行われたデモ行進に参加した。
最近数週間の間に起きたさまざまな抗議運動でAFPが撮影した映像には、イスラエル兵に向かって叫ぶ彼の姿が写っていた。
ハノウンは、ナブルスとトゥルカルムの間にあるシャファウ村に隣接する道路で行われた火曜のデモ行進にも参加した。
数十人の他の抗議者たちと共にパレスチナ国旗を振っている彼の姿を、数人の記者たちが目撃している。
動画の映像では、ハノウンがイスラエル兵に触っているように見える。その後、このイスラエル兵が彼を地面に押し倒し、膝で首を押さえつけてプラスチックの結束具で手を締め付けた。
この事件の編集済みの映像は、ソーシャルメディアやパレスチナのTVチャンネルで広く流されてきた。
ハッシュタグ # PalestinianLivesMatter (パレスチナ人の命も大事)を付けて投稿した者も数人いる。
彼らは警察の留置所で殺された無名のアフリカ系アメリカ人ジョージ・フロイドの画像と比較する。彼も、警察により首を膝で押さえつけられている姿が撮影されている。
パレスチナ解放機構の事務総長サエブ・アリカットは水曜、この画像についてTwitterで「侵害行為」と非難した。
ガザ地区を支配するイスラム教運動ハマスは、「このような行為」が地域の緊張の「主な原因」の1つになっていると述べた。
しかしイスラエル軍は、この画像は対立の全体像を示していないと述べた。
「我々はソーシャルメディアの動画は部分的で、大きな編集が加えられており、暴力的な暴動や、逮捕前に起こったIDF(イスラエル)部隊に対する暴力も反映していないことを強調する」と、軍は話した。
イスラエル軍は、「扇動者として有名なパレスチナ人」が兵士を「何度も押した」と言う。
軍によれば、兵士たちは「自制を示した」が、「繰り返し彼らに暴行を加える」容疑者を取り押さえざるを得なかった」という。
兵士たちは逮捕後に治療を行ったと、声明文は付け加えている。
ハマスとイスラエルは2008年以降、3つの戦争を戦ってきた。
国連、エジプト、カタールが支援した昨年の停戦にもかかわらず、この2つの勢力はロケット弾や砲撃砲弾、発火性のあるバルーンで散発的に衝突している。
世界銀行によれば、ガザ地区には200万人が住んでおり、その半数以上が貧困の中で暮らしている。
パレスチナ人アナリストは、ガザからの攻撃はたいていの場合、カタールからの支援金の同地区への搬入を承認させるため、イスラエルに圧力をかけることを目的としていると言う。
AFP