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イスラエル大統領、ダボス会議でサウジとの関係正常化がガザ紛争終結の鍵だと主張

世界経済フォーラムの年次総会は、2024年1月15日から1月19日までダボスで開催される。(AP写真/マーカス・シュライバー)
世界経済フォーラムの年次総会は、2024年1月15日から1月19日までダボスで開催される。(AP写真/マーカス・シュライバー)
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18 Jan 2024 11:01:42 GMT9
18 Jan 2024 11:01:42 GMT9

ダボス:イスラエルとサウジアラビアの関係を正常化することは、ハマスとの戦争を終結させるための鍵であり、中東全体の状況を一変させるものだと、イスラエルのイツハク・ヘルツォグ大統領は18日、スイスのダボスで開催された世界経済フォーラムの年次総会(通称ダボス会議)で述べた。

「依然として繊細な対応を必要とする危うい状況であり、長い時間がかかるだろうが、より良い未来に向けて世界と地域を前進させる好機だと思う」とヘルツォグ氏は語った。

この数日前には、サウジアラビアの外務大臣であるファイサル・ビン・ファルハーン王子が、ダボス会議のパネル討論で、サウジアラビアは「地域の平和にはイスラエルの平和も含まれる」ことに同意すると述べていた。ファイサル王子は、サウジアラビアはより広範な政治的合意の一環として「確かに」イスラエルを国家として承認するだろうと述べた。

「しかし、それはパレスチナ国家を通じたパレスチナ人の平和によってのみ起こり得る」とファイサル王子は述べた。

アントニー・ブリンケン米国務長官もダボス会議での演説で、パレスチナ人が国家を持つ道が、イスラエルの安全保障と地域の他の国々との関係改善に役立つと繰り返し述べた。

しかし、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相とその右派政権は、イスラエル・パレスチナ紛争の二国家解決という概念に反対している。

国家を統一するための形式的な役割を担うヘルツォグ氏は、多数の死者を出した10月7日のハマスによる大規模な奇襲攻撃の後、心に傷を負ったイスラエル国民の関心は自分たちの安全に集中しているため、イスラエル国民の二国家解決への支持は低いと述べた。ヘルツォグ氏は、ガザで人質となっている最年少のイスラエル人で、18日が1歳の誕生日であったクフィル・ビバスちゃんの写真を見せた。

「国家が名乗り出て『二国家解決』を口にする時、彼らはまず、人間にとって核心的な問題である予備的な問いに対処しなければならない。我々は真の安全を提供されているのだろうか」とヘルツォグ氏は述べた。「イスラエル人が和平プロセスへの信頼を失ったのは、テロが隣国によって賛美されているのを目の当たりにしたからだ」

ヘルツォグ氏はまた、この世界的な舞台を利用して、ハマスのイスラエル攻撃が世界に及ぼす影響を強調し、ハマスは「イランから生ずる悪の帝国」の手先の一つに過ぎないと述べた。

ガザ紛争のさなか、イランは隣国イラクでのイスラエルの諜報活動と称するものに対して軍事行動をとった。イランが支援するイエメンの反政府勢力フーシ派も、紅海の船舶を攻撃して世界の海運を混乱させ、米国と英国による一連の報復攻撃を引き起こした。

「世界中のすべての家庭の生活費を引き上げるため、フーシ派の問題は最優先事項だ。5万人の小さな部族が、帝国の武器を手に集まっている」とヘルツォグ氏は述べた。

17日、イランのホセイン・アミール・アブドラヒアン外相は、イランによるイラク攻撃と、パキスタンの武装勢力拠点に対する攻撃は、自衛権行使の一環であると主張し、多数のパレスチナ民間人を殺害したイスラエルのハマスに対する軍事作戦を「ジェノサイド(大量虐殺)」だと非難した。

イラクのムハンマド・シア ・アル・スダニ首相も、18日のダボス会議で、ガザでの戦争を非難し、「国際社会は失敗した」と述べた。

同時にスダニ氏は、ガザ戦争が起こり、米国がイスラエルを支援したことに対する報復としてイラクの親イラン民兵がイラクとシリアの米軍基地にほぼ毎日攻撃を仕掛ける中、イラクの立場について米国とイランの間でバランスを保とうとした。

スダニ氏は、イラクはイランと米国の双方と「利害関係」と「戦略的パートナーシップ」を持っていると述べた。しかし、スダニ氏は、米軍主導の連合軍がイラクから撤退することを改めて求め、連合軍の任務は「もはやイラク国民にとって脅威ではない」ダーイシュと戦うことであったため、連合軍の駐留はもはや正当化されないと述べた。

イラクとイスラエルの指導者たちは、世界の指導者や企業トップ、その他のエリートが集うダボス会議の3日目となる18日、いくつもの会議室が入り組んだダボス・コングレス・センター内の各会議室で次々開催されたセッションの中で注目を集めた。

その他の注目すべき講演者には、昨年末の激動の経営陣再編成後も職を維持したOpenAIのCEOであるサム・アルトマン氏も含まれている。

ダボス会議では4日間にわたり、気候変動や、ある者には経済的な可能性を、またある者には危険をもたらす人工知能(AI)に関する懸念など、さまざまなトピックが取り上げられた。

アントニオ・グテーレス国連事務総長は17日、記者団に対し、「AIは現在、間違いなく世界の発展に貢献する最も重要な潜在的可能性を秘めている」と述べた。一方で、各国政府は「この新しい現実に対処するための準備や体制が幾分不十分」であるとした。

ダボス会議に合わせて18日に開催された朝食会では、ダボス会議の主要テーマであるウクライナのロシアとの戦いに焦点が当てられた。

ポーランドのアンジェイ・ドゥダ大統領は、ウクライナを支援するために西側諸国の銀行にある没収されたロシアの資産を接収できるようにすることを求め、ウクライナの再建のために割り当てられた米国の600億ドルの支援と欧州連合(EU)の500億ユーロの支援は「極めて重要」だと述べた。

英国のデービッド・キャメロン外相は、EUと米国に対し、停滞している支援策を前進させるよう促し、同盟国に対して、同盟国各国を合わせた経済規模はロシアの25倍であることを忘れないよう求めた。

「我々がすべきことは、我々の経済力を示し、それに見合った対価を支払うことだけだ。そうすれば、ウクライナがこの事態を収束させるのを助けることができるだろう」と、ダボスでイランの外相と会談したキャメロン首相は述べた。

カマラ・ハリス米副大統領の夫、ダグ・エムホフ氏は、反ユダヤ主義、イスラム嫌悪、その他のヘイト(憎悪)との闘いについて話し合うために、18日にジェット機でダボスに到着した。

AP

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