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ベイルート港、疲弊しながらも戦い続ける救助隊

ベイルート港の火災発生現場に煙が立ち込める様子。2020年9月11日、レバノン。(ロイター)
ベイルート港の火災発生現場に煙が立ち込める様子。2020年9月11日、レバノン。(ロイター)
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12 Sep 2020 03:09:05 GMT9
12 Sep 2020 03:09:05 GMT9
  • ベイルート港は8月4日の大規模爆発以来、軍の管理下にある。爆発事故でレバノンは壊滅的な被害を被った。
  • 8月4日の爆発事故以来、ベイルート港はレバノン軍が管理している

ナジア・フッサリ

ベイルート: 9月11日、消防とレバノンの民間防衛隊が前日起きた火災の鎮圧作業を懸命に続けていた。白い煙がもうもうと立ち込めており、政府機関の予測では火災による損失が400万ドル相当にのぼるという。

軍によると、火災が発生したのはタイヤと油を貯蔵していた倉庫だという。火災の原因となったのは、8月4日の大規模爆発で崩壊した鉄柱の切断作業だった。倉庫作業員たちは、倒れた鉄柱の下に埋まったタイヤや石油を取り出すため柱を除去しようとしていた。しかし、切断の最中に火花が倉庫内の可燃物に引火し、火災が発生した。

火災の捜査を担当する軍警察は、目撃者を含む20名に聞き取り調査を行った。

8月4日の爆発事故以来、ベイルート港は軍の管理下におかれている。とある倉庫内で2750トンもの硝酸アンモニウムが大爆発し、小麦貯蔵庫、倉庫地帯、ベイルートの海岸通り、周辺地域が被害に遭った。

爆発により子供を含む民間人192名、さらに救急隊員・消防士10名が死亡した。民間人6000名が負傷し、家が全壊・半壊した30万名が住む場所を失った。複数の証言によると、いまだに9名が行方不明という。

陸軍技術連隊の指揮官ロジャー・コーリー大佐は、ミシェル・アウン大統領との会談にて、8月4日の大惨事以降24名の遺体が現場から回収され、その中には消防士9名と倉庫作業員9名が含まれると語った。

「港での捜索作業中に、2004年ないし2005年から倉庫に保管されていた硝酸アンモニウム4350㎏を発見したので、別な場所に移して処理しました。さらに、15年前から可燃性物質を保管したままの倉庫が複数あるということが判明しました。驚くべきなのは可燃性物質を保管していた倉庫が143件も確認されたということです」

ユセフ・ハイダー大佐は、港の面積140万㎡のうち、100万㎡分の片づけが完了、瓦礫1万5000トンが撤去され、20トン分の貨物の仕分けが完了したと述べた。

港で起きた2つの災害に主に対応しているのは、消防と民間防衛隊だ。

レバノン民間防衛隊のジョルジュ・アブ・ムーサ隊長は、チームに大きなプレッシャーがかかっていると語った。

アブ・ムーサ隊長はレバノン北部のカルタバに行き、異常気象による森林火災の鎮圧に当たった。「我々は24時間体制で働いています」とアラブニュースに語った。「私はベイルート港から山岳地帯にある標高2,000メートルの地域まで移動し、森林火災に対応しなければなりませんでした。もちろん我々は疲れきっていますが、士気は下がっていません。これが我々の職務であり、常に災害に対処するのには慣れています。しかし、最近は災害の件数が激増しています」

アブ・ムーサ隊長によると、民間防衛隊の隊員は無給で働いたり、最低賃金で働いたりという状態だという。

ベイルート消防隊のミシェル・マー中尉は、消防士たちが港で24時間連続働いていると語った。

「我々の状況は悲惨です」とアラブニュースに語った。「消防車両を酷使したため、故障が発生しています。昨日、送水ポンプが故障しましたが消火作業を続けました。水タンクを持っている人に呼びかけて、消火作業に使うため貸してくれるよう依頼しました」

消防隊には車両が3台しかなく、故障したら消火作業ができなくなると語った。

「国際的な消防基準によると、車両は3〜4年ごとに交換する必要があります。レバノンでは、国家財政がひっ迫しているため新車は購入できません。我々は最小限のリソースで任務にあたっていますが、どこかで火災が発生したとの通報があれば即座に現場まで駆けつけます。任務遂行中に一部の同僚を失いましたが、消防士たちは希望を捨てていません。昨日の任務は、タイヤと油の燃焼による火災と環境汚染の影響がベイルートに及ぶのを阻止することでした。我々の装備は必要最小限ですが、高いプロ意識のもと人的・物的被害が出るのを防ぐため尽力しています」

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