
アラブニュース
ベイルート:12日、バアブダーの大統領宮殿に向かって行進を行う反政府抗議参加者らとレバノン軍が衝突した。
抗議参加者らは、世論の大多数からレバノンに複数の経済および政治危機をもたらした1人であると見られているミシェル・アウン大統領に反対するスローガンを唱えた。
抗議参加者が撮影した映像には、喪に服する国家の象徴として白黒のレバノン国旗を掲げて行進する参加者らに対し、兵士がゴム弾を発射する様子が収められている。
8月4日に首都ベイルートの港で起きた大規模爆発によって都市の約40%が壊滅し、少なくとも死者200人、負傷者6,500人以上、約30万人が家を失った。その事故から1カ月以上が経過した。
10日、事故のあった港で大規模な火災があり、街の空は黒煙に覆われた。先の事故でトラウマを抱えている住民はまたも恐怖を感じることになった。この事件に加え、新型コロナウイルス感染者数の増加、レバノン・ポンドの急落により、同国を支配するエリート層の長年にわたる腐敗と怠慢に揺らぐ市民たちの怒りに火がついた。
派閥主義と腐敗に対するレバノンの全国規模での抗議は、昨年10月から始まった。抗議活動は散発的に行われてきたが、治安維持軍と抗議参加者の衝突は定期的に起きている。