
アンマン:先週初めての感染者が確認されたのを受け、国連難民事務所は何万ものシリア人が収容されている難民キャンプ内での感染拡大対策を強化していると、同機関のヨルダン担当職員トップが土曜日に述べた。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、シリア国境近くのヨルダン最大シリア人難民キャンプであるザータリで3名、そしてそれよりも小規模なアズラクで2名の感染者を確認した。
ヨルダンでは3月に初めての感染者が報じられたが、合わせて約12万人を収容する2カ所の難民キャンプでの感染はこれが初めてとなる。
「今週の成り行きは誰にとっても明らかに憂慮すべき事態ですが、そこで暮らす難民たちにとっては尚更です。混雑した空間や窮屈な生活環境でソーシャルディスタンスを取るのは、非常に困難なことです」とUNHCRヨルダン担当職員のドミニク・バルチ氏は述べた。
新型コロナの陽性反応が出た難民は、ヨルダン政府が死海付近に設置した隔離区域に送られたが、感染者に接触した家族たちはキャンプ内で隔離されていると同機関は付け加えた。
一方でヨルダン保健省は、キャンプへの出入りを制限して医療スタッフを訓練しながら、何千件という数の検査を実施している。
難民キャンプでの感染は、ヨルダン国内での感染者数が今月初めから急上昇するなかで発生した。
ヨルダンは、10年近く続く故国の内戦から逃げてきたシリア人難民を大量に受け入れており、国連は同国に約65万5000人のシリア人難民を登録している。
ロイター