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今も根深い、オスロがもたらしたパレスチナの亀裂

パレスチナ自治政府のアッバス議長の政治顧問、ナビル・シャース氏。
パレスチナ自治政府のアッバス議長の政治顧問、ナビル・シャース氏。
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15 Sep 2020 08:09:21 GMT9
15 Sep 2020 08:09:21 GMT9
  • 新たな政治的活力が必要、という専門家の声も

ハゼム・バルーシャ

ガザ:イスラエルとの紛争を終わらせることを目的とした1993年のオスロ合意の締結により、パレスチナの世論は分裂した。

オスロ合意が、米国の支援のもとパレスチナ解放機構(PLO)とイスラエル間で締結されたのは、同年9月13日のことであった。合意の支持者たちは、それをパレスチナ国家を樹立し、占領を終わらせるための出発点と見なし、反対者たちは、見境のない譲歩と見なした。

この意見の分裂は、合意締結からほぼ30年たった今も残っている。それどころか、パレスチナは国家としての独立という夢をまだ達成しておらず、イスラエルによる占領の状況には変化がないため、分裂はこれまで以上に激しくなっているのだ。

オスロ合意の支持者たちは、厳しい批判にもかかわらず、パレスチナの権利獲得への平和的なアプローチを崩していない。一方、彼らを批判する側も、自らの方向性のほうが良いものだと証明しているわけではない。

パレスチナ自治政府のマフムード・アッバス議長の政治顧問であるナビル・シャース氏は、長年の交渉におけるパレスチナ側の中心人物の一人である。

シャース氏は、パレスチナの指導部が、東エルサレムを首都とする独立国家の樹立に向けて、平和的なアプローチを堅持すると明言した。

これまで数多くの成果を上げることができた、とシャース氏は言う。「私たちは、離散状態にあった何十万人ものパレスチナ人とともに、パレスチナの地に戻ることができました。そして、たとえ占領されてはいても、私たちは国家としての制度と経済を確立してきました」とシャース氏はアラブニュースに語った。

シャース氏は、交渉に長い時間を要してきたため、和平オプションを批判する人々へも理解を示したが、非はオスロ合意を破ろうとしてきた歴代のイスラエル政府にあると主張した。中でも、最も極端で攻撃的かつ和平に対して敵対的なイスラエル政権は、ベンジャミン・ネタニヤフ首相が率いる現政権だ、と彼は付け加えた。

オスロ合意には、パレスチナ暫定自治政府の樹立に向けた原則の発表が含まれていた。当時の交渉の目標は、5年以内の期間、ヨルダン川西岸とガザ地区でパレスチナ暫定自治組織を設置し、その後、最終的な和解に至ることであった。

オスロ合意は、離散状態にあった数十万人のパレスチナ人の帰還と国家制度の樹立を保証したが、それらは1999年に発表されることになっていた独立国家の設立につながらなかった。

第2次インティファーダ(アルアクサ・インティファーダ)が数か月後に勃発し、パレスチナの内部分裂が露呈する結果となった。

ハマスは、交渉内容が最初に明らかにされた当時からオスロ合意に反対しており、1996年に行われた最初の議会選挙への参加も拒否したが、2006年に行われた2度目の選挙には参加し、その後の組閣でも中心的役割を果たした。

オスロ合意の意義に関する不一致は、今日までパレスチナを苦しめている内部分裂の出発点となった。一方ハマスの側では、自らの政治参加とイスラエルとの政治的和解への変わらぬ反対との間に、矛盾があるとは見ていない。

ガザにおけるハマスのスポークスマン、ハゼム・カセム氏は、オスロ合意は「パレスチナの理想とパレスチナ人を政治的不合理の迷路に引きずり込んだ上、より多くの足枷と譲歩をパレスチナ人に押し付けるだけの、災難と言うべき付帯条項を伴った」ものだとアラブニュースに語っている。

占領地の拡大により「シオニスト・プロジェクト」が進行し、安全保障と経済的合意によりパレスチナ人が「束縛」される一方で、パレスチナ人の理想が継続的に後退してきた責任は、オスロ合意にこそある、とカセム氏は言う。

平和的な選択肢を拒否することでハマスは自らの立場の正しさを示してきたし、抵抗だけがパレスチナ人の権利を実現できる手段なのだ、とカセム氏は付け加えた。

議会選挙に参加したハマスは、「ガザでの抵抗」に支持と保護を与えることに成功した。

イスラム聖戦機構の指導者、アーメド・アル=ムダラル氏は、オスロ合意はパレスチナ人が耐えてきた「脱線と分裂」の始まりだったと言う。。

「パレスチナが占領から独立へと進んでいると私たちに信じさせた人たちに向けて申し上げたい:ここでは、私たちはより深刻な占領、強制移住、殺害、逮捕、ユダヤ化、入植拡大、飢餓、包囲へと向かって進んでいるのです」とアル=ムダラル氏はアラブニュースの取材に対して語った。

政治学を専門とするイブラヒム・アブラッシュ教授は、現状のすべてがオスロ合意は終わってしまったことを示していると考えている。イスラエルは合意の条件を起草する上で主要な役割を果たした一方で、現実には、政治的解決プロセスと平和のための基本的原則に「矛盾するすべてのこと」を実践してきたというのだ。

「すべてのパレスチナ人はハマスであろうとファタハであろうと行き止まりに来てしまいました」とアブラッシュ教授はアラブニュースに語る。「私たちは新たな政治的活力が必要です。それなしで、パレスチナの解放と国家樹立の夢に、光明を見ることはできないでしょう。」

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