
ベイルート:ミシェル・アウン大統領は月曜日、レバノンは新政府樹立に関して危機的状況にあると述べ、主要な閣僚に関する党派割り当てを無効にする提案を出した。
「組閣が難しくなっており、解決の兆しは直ぐには見えそうにない」とアウン大統領はテレビ放送の声明で述べた。発言の抜粋が大統領のツイッターで公開された。
アウン大統領は、新政府樹立に失敗すればレバノンは「破滅に向かう」と述べた。
組閣に関してなんらかの突破口は期待できるかとの質問に、「奇跡はあるかも知れない」と答えた。
そして大統領は、党派に大臣職を割り当てるというレバノンのやり方の破棄を提案した。
大統領のこの発言の前にはアディブ新首相が、新政府の樹立にすべての党派が協力し、レバノンを危機から救済しようとするフランスの構想を迅速に成功させるべく取り組むよう呼び掛けた。
レバノンは、国家の安定にとって1975年から1990年の内戦以来の最大脅威となる経済危機に見舞われている。だが、問題への対処に着手すべく新政府組閣に同意するようレバノンの党首たちを説得しようとするフランスの構想は、未だ実を結んでいない。
レバノンで優位に立つシーア派2政党であるイランを後ろ盾とするヒズボラとその同盟のアマル運動が、財務大臣を含む閣僚をシーア派から指名するよう主張していることから、組閣の動きが行き詰っているのだ。
「不正を廃止して、この国を危機から救い出す仕事に着手する能力をもつ」専門家たちによる政府樹立に対し、すべての党派は協力すべきてあると、新首相に指名されたムスタファ・アディブ氏は声明で述べた。
アディブ首相は「大統領と協力してこの目標を達成すべく」あらゆる努力を惜しまないと述べた。
アディブ首相の努力が実らない中で先週、彼の辞任の可能性を示唆する報道もあった。何年も同じ党派の者がポストに就いている大臣職がいくつかあり、彼は大臣職の変更を提案していた。
レバノンの政府高官筋によれば、フランスは引き続きこの行き詰りを打破する道を探っているという。
アディブ氏はスンニ派のイスラム教徒であり、これは宗派でポストを分担するという権力分散システムに則ったものだ。彼は、レバノンの主導的スンニ派であるサード・アル・ハリリ氏を含む元首相たちの支援を受けている。
この行き詰りは日曜日、宗教的な領域へとなだれ込んだ。
レバノンの高位キリスト教聖職者であるべハラ・ブートロス・アル・ライ・マロン派大司教が、名指しを避けて主要シーア党派による要求を批判し、ある党派が「特定の大臣職」をなぜ要求できるのかと問いかけた。
これに対してレバノンのシーア宗派最高機関が即座に反応し、ある主流宗派の指導者によるコメントは真実を捻じ曲げていると述べた。
ロイター