
ドバイ:ジェットパックとカーボンファイバーの翼を使って、ドバイ上空での画期的なスタントを行った「ジェットマン」チームの一員、フランス人のビンス・レフェットさんが、11月17日、訓練事故中に死亡した、とスポークスマンが述べた。
このジェットマンはもう1人のジェットマンと二人組で、世界一高い高層ビル、ブルジュ・ハリファの上空まで舞い上がったり、世界最大の民間航空機、エミレーツのエアバスA380と並行して飛翔したり、この湾岸都市の上空で一連の劇的なフライトを成功させてきた。
飛行中の飛行機の小さな窓に飛び込んだことや、中国湖南省の天文山の有名な「天国の門(天門洞)」の鍾乳洞をくぐりぬけたことなど、世界のその他の場所でのスタントは、ソーシャルメディアでたくさんの視聴者を引き付けた。
「ジェットマンのパイロット、ビンセント(ビンス)・レフェットの死を私たちが発表しなければならないのは、想像を絶する悲しみが伴うことです。彼は11月17日の今朝、ドバイでの訓練飛行中に死亡しました」と、ジェットマンドバイのスポークスマン、アブドゥラ・ビンハブトゥール氏はAFP通信に語った。
「ビンスは才能あるアスリートで、私たちのチームの非常に愛され、尊敬されるメンバーでした。私たちの思いと祈りは彼のご家族と、彼を知り、彼と一緒に働いた全ての人々と共にあります」
この都市郊外の砂漠の中にあるジェットマン基地で起きた36歳のラフェットさんの事故は、現在調査中だ。
「私たちはあらゆる関連当局と密接に協力しています」と、ビンハブトゥール氏は語った。
マーベルの『アイアンマン』を思わせる妙技で、地上から離陸して、ドバイのウォーターフロント上空1,800まで上昇している彼の動画で、レフェットさんの快挙は、今年すでに急速に広まっていた。
このフランス人はドバイの海岸の水上5メートルのところを浮上した後、世界初として称賛されたスタントで、大空に向けて急上昇し、この都市の高層建築群をかすめて飛んだ。
ジェットマンたちは以前、高いプラットフォームから飛び降りて、空中に飛び込んだことがある。
10月のAFP通信のインタビューを受けて、レフェットさんはスイスの山々の上空を飛ぶ飛行機に飛び込むようなスタント時の爽快感を説明し、これこそが「皆さんの気分を私が悪く」させている、と語った。
「元気がない。これは精神の闘いです。その後飛行機に乗る。プロジェクトは終わります。そしてもう今は、次のプロジェクトについて既に考えているのです。その瞬間を探し求めているのです」と、レフェットさんは語った。
「とてもたくさんの夢があるのに、人生はとても短いのです」
レフェットさんのカーボンファイバーの翼は、4つの小さなジェットエンジンが動力となっている。パイロットの動作によってコントロールされるこの装置は、時速400キロメートルまでのスピードを出す能力を持っている。
このジェットマンのチームには、仲間のフランス人、フレッド・フーゲンさんと、UAEのパイロット、アーメド・アルシェヒさんも所属している。