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活動家の死を受けて、パレスチナのデモ隊がアッバース大統領に辞任を要求

2021年6月25日、ニザール・バナト氏の死を悲しむ人々が、ヘブロンで行われた同氏の葬儀の列に参加した。バナト氏は汚職を糾弾したためにパレスチナ自治政府の警察に拘束され、その翌日に死亡した。(AFP通信/モサブ・シャウエル)
2021年6月25日、ニザール・バナト氏の死を悲しむ人々が、ヘブロンで行われた同氏の葬儀の列に参加した。バナト氏は汚職を糾弾したためにパレスチナ自治政府の警察に拘束され、その翌日に死亡した。(AFP通信/モサブ・シャウエル)
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26 Jun 2021 04:06:32 GMT9
26 Jun 2021 04:06:32 GMT9
  • パレスチナ自治政府を批判していたニザール・バナト氏は、自治政府の警察に拘束された翌日に亡くなった
  • バナト氏の家族によると、パレスチナ自治政府の捜査官が木曜日未明にバナト氏の自宅に突入し、バナト氏を暴行してから連れ去ったという

占領下のヨルダン川西岸地区、ヘブロン:マフムード・アッバース大統領の最も有名な批判者の1人であるバナト氏の死を悲しむパレスチナ人たちが、金曜日にバナト氏の葬儀のためにヘブロンを行進しながら政府の交代を要求した。バナト氏は、警察に拘束された後に亡くなった。

数千人の人々がニザール・バナト氏の棺と共に占領下のヨルダン川西岸地区にある通りを行進した。多くの人々は「人々は政権の崩壊を望んでいる」「アッバースは去れ、去れ」と大声で訴えていた。

パレスチナの旗を振っている人もいれば、アッバース氏の政敵で、ガザを実効支配するハマスの旗を振っている人もいた。

ラマッラーや東エルサレムのアル・アクサモスクの外でもデモ隊による集会が行われた。

バナト氏の家族によると、パレスチナ自治政府の警察は木曜日の早朝、市内にあるバナト氏の自宅に突入し、金属の棒で何度もバナト氏を殴った後、拘束したという。

パレスチナ自治政府の独立人権委員会が検死を行い、バナト氏は頭部に打撃を受けたと発表した。

アッバース氏のパレスチナ自治政府は、調査を行うとしているが、この件に関する非難に対してはコメントを出していない。

 

現在85歳のアッバース氏が2005年に大統領に就任して以来、アッバース氏の人気は落ち込んでおり、多くのパレスチナ人が経済的な困難に直面し、汚職の蔓延を批判している。アッバース氏は、10年以上にわたって大統領令でパレスチナ自治政府を統治してきた。

アッバース氏が率いる統括組織、パレスチナ解放機構(PLO)はバナト氏の死後初めて声明を発表し、パレスチナ自治政府の調査は公平に行われ、可能な限り早い時期に結果が発表されると述べた。

しかしPLOは、パレスチナ人、「特に殉教者ニザール氏の家族に対し、国民としての責任を負う」ように求めた。また、「いかなる人物にも、この問題を政治的に利用し、国家的、人道的、法的な道から逸脱させることを許してはならない」と呼びかけた。

バナト氏(43歳)は社会運動家で、アッバース氏の率いるパレスチナ自治政府が腐敗しているとして非難していた。今月のイスラエルとの新型コロナウイルスワクチン交換に関する合意が長続きしなかったことや、5月に予定されていた選挙の延期をアッバース氏が決定し、長らく選挙が延期されていることなどをバナト氏は批判していた。

バナト氏は延期されている選挙の議員候補として登録していた。

人権団体は、アッバース氏は批判者をたびたび拘束していると指摘する。ヒューマン・ライツ・ウォッチの関係者は、バナト氏の拘束は「例外的なことではない」と述べている。アッバース氏はこの非難を否定している。

米国、国連、EUはパレスチナ自治政府に対し、バナト氏の死について「透明性のある」調査を行うよう求めた。

ガザ地区を実効支配するハマスは、パレスチナ人が立ち上がり、「我々の国民の自由と権利に対するパレスチナ自治政府の広範な侵害行為に最終的な終止符を打つ」よう呼びかけた。

アッバース氏と、ヨルダン川西岸地区で限定的な自治権を行使するパレスチナ自治政府は、自分たちが腐敗しているという非難や、政治観を理由に人々を拘束しているという非難を否定している。また、彼らは拷問も否定している。

ロイター通信

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