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イスラエルとの関係修復は、パレスチナに怒りをもたらす

ヨルダン川西岸地区の都市、ラマッラで、パレスチナ自治政府指導者会議の後、パレスチナのマフムード・アッバース大統領が講演。(AFP通信)
ヨルダン川西岸地区の都市、ラマッラで、パレスチナ自治政府指導者会議の後、パレスチナのマフムード・アッバース大統領が講演。(AFP通信)
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19 Nov 2020 08:11:49 GMT9
19 Nov 2020 08:11:49 GMT9
  • パレスチナ自治政府のマフムード・アッバース大統領は5月、安全保障協力も含めて、イスラエルとの協力関係を中止すると発表していた

ハゼム・バロウシャ

ガザシティ:パレスチナ自治政府(PA)は11月17日、イスラエルとの関係を修復すると発表した。これは、自治政府内の他の広範囲の党派が拒絶している動きであり、それでなくてもPAは、自治政府内部での和解の試みを「台無しにした」として、非難されてきた。

パレスチナ自治政府のマフムード・アッバース大統領は5月、ヨルダン川西岸地区の30パーセントに相当する領土を併合するイスラエルの計画に反発して、安全保障協力を含めて、イスラエルとの協力関係を中止すると発表していた。

PAのフセイン・アル・シェイク民政庁長官は17日の午後、「以前に署名した合意をイスラエルが順守することを確認した上で、パレスチナはイスラエルとの関係を5月19日より前の状態に修復することに決めたと発表した。

アル・シェイク長官は、PAが最近イスラエルに、かつてパレスチナ解放機構と共に署名した合意を守る意志があるかどうかを問う公文書を送った、とパレスチナの公式テレビネットワークに語った。

アル・シェイク長官は、次のように語った。「署名された合意を認識しているということは、(アメリカのトランプ大統領の)「世紀のディール」がもはや検討されていないということになります」。同長官はこれを、パレスチナ自治政府とその指導者の大きな勝利であり、断固とした姿勢の賜物だと表現した。

しかし、観測筋はPAの予期せぬ発表のタイミングに疑問を感じている。この発表は、パレスチナ自治政府の2つの主要政党、ファタハとハマスが、今後のパレスチナの方向性を協議しようとして、カイロで会談することになっていた時と一致しているからだ。ハマスはこの和平プロセスに対して、「味方に背後から刺された」と表現する声明を発表した。

ハマスに近い政治アナリスト、イブラヒム・アル・マドゥーン氏は、イスラエルとの関係を再開するというPAの発表は予想されていたが、関係修復の発表手法はパレスチナ国民を無視するものだった、とアラブニュースに語った。

「関係修復決定の後、自治政府内の和解の道は危うくなっています」と、アル・マドゥーン氏は語った。

イスラエルのPAへの回答は、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相が署名したのではなく、「テリトリー内の政府活動のコーディネーター」のカミル・アブ・ルクン氏が署名していた、と他のアナリストたちは述べていた。

パレスチナ立法評議会のハッサン・クライシェ議員は、イスラエルが返したメッセージを重要性だと評価していない人々の1人であり、これではいかなる政治的誓約も正式なものとなっていないと語った。PAの決定は、「アッバース大統領の後を継ぐPAとファタハ内の者たちの派閥と政局の闘争」の1部だ、とクライシェ議員は表現した。

イスラエル公共放送協会のパレスチナ問題のアナリスト、ギャル・バーガー氏もこの決定に関する記事の中で、似たような感想を述べていた。「フセイン・アル・シェイク民政庁長官、マジェド・ファラジ(総情報部長)を含めて、アッバース大統領の周囲にいる人物は、自治政府内の和解の試みが進展している段階を好みませんでした」と、バーガー氏は書き、彼らはアッバース大統領の後継者となり得るファタハ中央委員会のメンバー、ジブリル・ラジューブの昇進に反対していると説明した。

同氏はまた、カイロでのハマスとファタハの会談がこの発表の時期と一致したのは、「単なる偶然の一致」ではないことも示唆していた。

「アッバース大統領と側近に別の計画を温めていたときに、ハマスとの和解に突き進むラジューブ氏を、彼らのうちの1人が妨害したかったのかもしれません」と、バーガー氏は語った。「ハマスとの和解は、アッバース大統領の本当の選択肢ではなく、イスラエルと国際社会に対するメッセージでした。そして、(アメリカ大統領選挙での)(ジョー)バイデン氏の当選後、そのチャンスが来たのです」。

アメリカとパレスチナの関係は、トランプ政権の下で崩壊したが、ひとたびバイデン氏が政権を握れば、状況が好転する望みがある。

イスラエルのジャーナリスト、ダニエル・セロッティ氏はPAが「自らのイメージを向上させ」、「バイデン氏の大統領就任期間中、パレスチナのアメリカボイコットは続かない、というメッセージをバイデン政権に」送ろうとしていると示唆した。

セロッティ氏はまた、PAのイスラエルとの関係修復決定の背後にある大きな要因は、5月からイスラエルがパレスチナ自治政府に代わって徴収してきた税金の引き渡しを、パレスチナ自治政府が受け取ることを拒否してきたことだった。これにより、数億シェケルの赤字が発生していることになるからだ。パレスチナ経済へのCOVID-19のパンデミックによる壊滅的な影響が明らかになっているちょうどこの時期に、PAは公務員の月給を削減せざるを得なかった。

イスラエル問題専門の作家、イスマット・マンスール氏は、イスラエル・パレスチナ問題への「二国家解決」に関するバイデン氏の発言が、イスラエルからの税収を受け取る「ちょうど良い口実」をPAに与えた、とアラブニュースに語った。

少なくともこれを、朗報だと思っているパレスチナ人も中にはいた。多くの公務員たちがソーシャルメディアに投稿し、もうすぐ経済的苦境がいくらか解消されるかもしれないと喜んでいたからだ。

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