
ドバイ:国内で最も著名な核科学者の暗殺に対し、イランは「計画的に断固として」回答するだろう、とイラン最高指導者顧問は述べた。一方で強硬派新聞は、テヘランの報復にはイスラエルの街、ハイファへの攻撃を含むべきであると提案している。
イランの外交戦略評議会議長でもあるキャマール・ハッラズィー氏は、「イランは間違いなく、イラン国家からモフセン・ファクリザデ氏を奪った犯人に対し計画的かつ断固とした対応をするだろう」と声明で述べた。
ファクリザデ氏は、長年にわたって秘密の核兵器プログラム首謀を西側諸国とイスラエル政府によって疑われてきた。同氏は金曜にテヘラン近郊の幹線道路で襲われ、車内で射殺された。
イランの聖職指導者と軍部指導者たちは、この暗殺についてイスラム共和国の宿敵であるイスラエルを非難している。イランはこれまでにも、イラン人核科学者数名の2010年からの暗殺についてイスラエルを告発している。
ベンヤミン・ネタニヤフ首相官邸は暗殺についてのコメントを拒否している。イスラエル閣僚のツァヒ・ハネグビ氏は土曜、事件を犯人を知らないと述べている。
イランの強硬メディアは日曜、厳しい報復を要求した。最高指導者アーヤトッラー・アリー・ハーメネイー氏によって編集長が任命されている強硬派のカイハン・デイリーは、ファクリザデ氏の暗殺にイスラエルの関与が証明された場合、イスラエルの港市であるハイファへ攻撃することを求めた。
「設備の破壊に加え、多数の死傷者を生じる形で攻撃が実施されるべきである」とサアドラー・ザレイ氏は意見記事で述べた。
だがイランの指導者たちは、イスラエル攻撃に際しての軍事的、政治的に厄介な問題を認識している。そのような攻撃は、ジョー・バイデン米国次期大統領が1月20日の就任後に実施する、テヘランとの緊張緩和へのあらゆる取り組みを複雑化することにもなるだろう。
イランが列強6カ国と2015年に結んだ核合意からドナルド・トランプ大統領が離脱し、イラン経済に大打撃を与えた制裁措置を再び課した2018年以来、テヘランとワシントンの間には緊張が高まっている。報復として、テヘランは核プログラムの合意事項を少しずつ違反している。
バイデン氏は、イランが再び取り決めを守るようになれば、米国も合意を結び直すと述べている。イランは以前から、核兵器の推進を否定してきた。
ロイター