
チャーリー・ピーターズ
ロンドン:元欧州議会議員のグループがヨーロッパ全土でテロ活動を指揮しているとして、イランを非難した。
元欧州議会議員とイラン政府のテロ活動への関与に詳しい専門家が参加した超党派の公開討論会で、イラン政府が諜報部門をテロ活動に利用しているとして非難した。
イランとEUの間で外交的摩擦が高まるなか、国際正義追及委員会(International Committee in Search of Justice : ISJ)が主催する公開討論会が開かれた。現在イラン外交官が1名、パリでの反イラン政府集会への攻撃を計画した容疑で裁判にかけられている。
在ウィーン駐オーストリア・イラン大使館に勤務するアブドラ・アサディ上級外交官が、他3名と共謀し2018年にイランの反体制組織が開いた年次集会にテロ攻撃を企てた容疑で起訴されている。
「自由イラン」集会は、イラン野党のイラン抵抗運動全国評議会マリアム・ラジャビ議長が提案した「イランの未来のためのロードマップ」への支持を表するため開催された。ロードマップでは、普通選挙権、自由選挙、市場経済が必要だとされている。
ベルギーの裁判所が、2月4日にアサディ被告と3名の共謀者に判決を下す予定となっている。
ISJによる公開討論会には、アレホ・ビダル=クアドラス元欧州議会副議長、イタリアのジュリオ・テルツィ元外相、スコットランドのストルアン・スティーブンソン元欧州議会議員、ポルトガルのパウロ・カサカ元欧州議会議員がなどが参加した。
ビダル=クアドラス元副議長はこう述べた。「地域の平和と安定を望み、イランでの人権侵害を好ましく思わない政治家たちに対し、イランとの国交を断絶するよう求めます」
2018年の集会攻撃未遂事件について、ビダル=クアドラス元副議長はこう述べた。「幸運にも、攻撃計画はヨーロッパ各国政府の協力により未遂に終わりました。裁判で明らかになった最新情報によると、アサディ容疑者から直接爆弾を受け取ったイラン系ベルギー人の夫婦、ナシメ・ナアミとアミール・サドウニ両容疑者は、爆発物をラジャビ議長のできるだけ近くに置くように指示を受けたという。
元副議長はこう付け加えた。「私はラジャビ議長のすぐ近くに座っていました。著名な政治家たちが彼女の周り数メートルの範囲に座っていました。攻撃が成功していたら、どんな結果に至っていたか容易に想像できます」
テルツィ元外相は聴衆にこう語りかけた。「この事件を受け、ヨーロッパが今後とるべき政策については多くの疑問が出てきます。ヨーロッパはこうしたテロ活動をどうやって阻止するのでしょうか?歴史を振り返ると、膨大な量の証拠があるにもかかわらず、イラン政府はヨーロッパでのテロ活動に対する関与を認めようとしません。ヨーロッパはヨーロッパ人と政治難民に対するこういったテロ攻撃をどのように阻止していくのでしょうか?
アラブニュースから、EUがヨーロッパ大陸全体でイランの恐怖政治とどのように戦うことができるか質問を受けたスティーブンソン元議員は「唯一の有効な政策とは、圧力と決断力です」と答えた。
スティーブンソン元議員はこう付け加えた。「イラン政府によるテロ活動を阻止するために、EUはイラン革命防衛隊・コッズ部隊・イランの各諜報機関をテロ組織認定しなければなりません。
「さらに、EUはアサディ容疑者がヨーロッパで誰に会い、誰に金を支払ったか調査する必要があります。傘下の諜報員を特定して身柄を確保し、EUから追放するのです」
最後にスティーブンソン元議員は、EUが「イラン政府からヨーロッパのテロネットワークを解体するという確証が得られるまで、EU各国にあるイラン大使館を閉鎖する」よう提案した。
カサカ元議員はこう述べた。「EUの各機関は、欧州の統一を強化し、法の支配を支持し、自由とテロからの保護を含む加盟各国共有の価値観を確実に保護する必要があります。
「EUは、我々が屈服することを望む外国テロリスト勢力に屈してはなりません。イラン政府にはテロを引き起こす権限などありません」