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IAEA事務局長、「好転を期待」
ジェッダ:イランの核プログラムの抑制を目的とした協定への米国の復帰を求めるイラン側からの通告の期限が迫る中、国連による核監視を担うIAEAの事務局長が、土曜日、危機協議のためにテヘランに到着した。
国際原子力機関 (IAEA) のラファエル・グロッシ事務局長は、「イラン側の高官と折衝し、イランの法に沿った上で相互に合意可能な解決策を見出し、IAEAがイランで必要不可欠な査察を継続できるようにするつもりです」と述べた。また、「好転を期待しています。それが誰にとっても最善ですから」とも言った。
包括的共同作業計画 (JCPOA) は、イランによる核開発の制限と引換えにイランへの経済制裁を解除することを目的として2015年に締結された。ドナルド・トランプ前米国大統領はこのJCPOAから米国を2018年に離脱させ、イランに対して経済制裁を再開した。イランはJCPOAに基づく義務に徐々に違反し始め、遂にはウラニウムを禁止されている純度まで濃縮するに至った。
最新の通告で、イラン側は米国のJCPOAへの全面的復帰の期限を2月23日としている。これが達成されなかった場合、IAEAによる抜き打ち査察を認めるJCPOAの条項の遵守をイランは拒絶することになる。この期限はイラン議会で成立した法による公式なものであり、国連の査察官たちの追放に繋がりかねないという国際的な懸念を巻き起こしている。
イランは、「自発的な透明化措置」、特に核関連活動の疑惑のある軍事施設を含む非核施設への査察訪問の受け入れを停止するとIAEAに伝達している。
「相手側が経済制裁解除の義務を果たさないのであれば、保障措置を超える査察の受け入れも停止せざるを得ません」と、イラン原子力庁のアリー・アクバル・サーレヒー長官が土曜日に述べた。
ジョー・バイデン米大統領は、金曜日、イランによるかく乱的な試みの抑制への協力をヨーロッパ各国に呼びかけた。バイデン大統領は、「核拡散の脅威により各国の注意深い外交努力と相互協力が引き続き必要とされています。そのため、私たちはイランの核計画について再交渉の用意があると言明しています」。
米国側は、イランがまずJCPOAを遵守しなければ経済制裁緩和についての検討を開始しないと主張している。一方、イラン側は最初に経済制裁が解除されるべきだと述べている。バイデン政権は、交渉再開に向けた意思表示として、トランプ前大統領によって検討されていた経済制裁の一層の強化を取り止め、国連が認定したイラン外交官への制限を廃している。
イラン政府のアリ・ラビエイ報道官は、土曜日、米国が誠意を示すのであれば、期限は設定済みではあるものの、イラン側が対応することはあり得ると述べた。
「外交上の論争が有るにせよ、外交努力は好ましい結果をもたらすと私たちは見込んでいます。現在の状況は、関係各国が元々の誓約へと回帰する自然な兆しなのです。近い将来の経済制裁の全面解除もそこには含まれます」と、ラビエイ報道官は語った。