
ガザ:パレスチナ自治区のガザ地区は2月22日、ロシアとUAEから提供された分のワクチンを受け取った後、COVID-19のワクチン接種プログラムを限定的に開始したが、保健当局がもっと大量のワクチン出荷を待ちわびており、もっと大掛かりなキャンペーンの実施は、まだまだ先となりそうだ。
ハマスが支配し、200万人が住む沿岸の飛び領土、ガザ地区の保健当局は初めて、ロシアの新型コロナウイルスワクチン、スプートニクV、22,000回分を医療従事者に投与している。慢性疾患のある患者と60歳以上の人々が、医療従事者に続いて投与されることになっている。
ガザ保健省はテキスト・メッセージを送信し、この対象となる人々にワクチン接種を受けに来るように促していた。
「限られた人数ながら、素晴らしい献身を見せている医療部門が、この難局を乗り切ることができることを誇りに思います」、とガザ地区のリヤド・ザノウン元保健大臣は、初めてワクチン接種を受けた後に語った。
ワクチン接種を受けた人々は、今後もマスクを着用し続け、ソーシャルディスタンスを取り続けることを伝える説明カードを受け取っていた。
ガザの保健当局が、ワクチン接種開始をこのパンデミックとの闘いのターニングポイントになると称賛していたが、もっと大量に出荷されるワクチンを、いつ受け取ることになっているのか、ということは述べていなかった。
イスラエルとエジプトの両国が、2007年以降ガザ地区を支配しているハマスに対して、安全保障上の不安を挙げ、この沿岸地区を封鎖し続けている。
ヨルダン川西岸地区で、イスラエルに占領されて、限られた自治権しか持たないパレスチナ自治政府(PA)は、ロシアから提供されたワクチン2,000回分を譲渡するとの申し出をイスラエルが認めた後、ガザ地区は先週初めてワクチンの出荷を受けた。
これとは別に、ガザ地区はUAEからロシア製ワクチン20,000回分も受け取っていた。間隔を空けて1人2回投与しなければならないことを想定すれば、16歳以上の全員にワクチン接種し終えるためには、260万回分が必要だ、と保健当局が述べていた。
PAはロシアと製薬会社、アストラゼネカとの大規模な供給契約を結んでおり、ヨルダン川西岸地区とガザ地区一帯にワクチンを供給する計画だが、その投与できる量のワクチンは、到着が遅れている。
310万人のパレスチナ人が住むヨルダン川西岸地区は、1,361人が死亡し、110,294人が感染したと発表していた。ガザ地区は543人が死亡し、54,000人以上が感染したことを確認していた。
ロイター通信