
フランチェスコ・ボンガッラ
ローマ:イラクは、4日間にわたる訪問中に教皇フランシスコを警護するため、何千人もの追加警備員を配置している。訪問は、相次ぐロケット発射や自爆攻撃でカトリック指導者の安全への懸念が高まっている中で行われる。警備計画を把握しているある警備当局幹部は、警備に関わる部隊が、市街戦から爆撃、ロケット攻撃に至るまでの最悪のシナリオに対処する訓練を受けてきたと語った。
大規模演習には、3月5日から8日までの教皇初のイラク訪問の準備の一環として、仮想敵への対処が盛り込まれた。暴力への懸念に加え、同国では新型コロナウイルスの感染が急増しており、準備をさらに複雑にしている。
84歳のローマ教皇は、かつてイスラム国の拠点があり、今もなお教会やその他の建物に紛争の爪痕が残るモスルなど、4つの都市を訪問する予定だ。
フランシスコ教皇はまた、キリスト教徒やイスラム教徒、ユダヤ教徒が敬愛する預言者アブラハムの生誕地であるウルを訪れ、イラクのシーア派トップの聖職者である90歳の大アーヤトッラー・アリー・スィースターニーと面会する予定だ。
内務省の特殊部隊と陸軍は、教皇の行く先々周辺で警護線を張り、一方の空軍は教皇が行くルートを監視するために24時間体制でドローンを運用する。万が一不審な装置が見つかった場合や市街戦に備えて、爆発物チームとテロ対策要員も配置される。
覆面諜報員や国家安全保障当局者も教皇が出席する集会に配置される予定だ。技術チームが不審な電話や無線通信を妨害したり、遮断したりすることもできる、と彼は付け加えた。
約1万人の保安要員がフランシスコ教皇の警備に配置される予定で、教皇は異例ではあるが、装甲車で移動する可能性もある。
フランシスコ教皇は木曜日のビデオメッセージの中で、イラクの人々に「懺悔する巡礼者」として見てほしいと述べ、「長年の戦争とテロを経た許しと和解」と「心の慰めと傷の癒し」を神に求めた。
教皇はこう付け加えた:「私は平和の巡礼者として、皆さんの中にやって来ました。繰り返しますが、皆さんは兄弟です。私は平和の巡礼者として、他の宗教的伝統に属する兄弟や姉妹らとも一緒に、共に祈り、共に歩きたいという願望に駆られた友愛を求めて来ました」
教皇の訪問を祝うために、特別な銅メダルがバチカンによって鋳造された。バチカンの複数の情報筋はアラブニュースに対し、このメダルは教皇がイラクの代表者に贈る贈り物の1つになると語った。
メダルは、バチカン市国郵便局の切手・硬貨専門支店のウフィツィオ・フィラテリコ・エ・ヌミスマティコのアーティストによってデザインされた。イラクの地図、チグリス・ユーフラテス川、ヤシの木、ウルを去るアブラハムが特徴的だ。メダルの下部には、バチカン市国の公用語であるラテン語で教皇訪問の日程(3月5日-8日)が刻まれている。メダルの上部には、ラテン語で「イラク訪問」を意味する「Visit Iraquiam」と書かれている。