
レベッカ・アン・プロクター
ドバイ:イエメンでの最近の不穏な動きとして、220人以上のアフリカ人移民がサヌアの国連事務所の外で誘拐され、行先のわからない場所に連れて行かれた。
行方不明者の中には55人の女性が含まれていると、アル・アラビーヤが4月3日に地元の情報筋からの情報として伝えた。彼らは以前、3月7日にサヌアの過密状態の収容施設で数十人のアフリカ人移民が死亡した事件の調査を求めるため、UNHCRの建物の前で集会を組織していた。
この移民たちは、反乱や過激主義、戦争、飢餓に悩まされている国・イエメンへの危険な旅をする、何千人ものアフリカ人の一人だ。
より良い生活を必死に求める彼らの目標は、サウジアラビアまでたどり着き、そこで仕事を見つけることだ。しかしイエメンでは、首都サヌアと北部がイランの支援するフーシ派によって支配されており、移民たちは拷問や脅迫、性的虐待、完全な地獄のような場所での拘束など、紛れもない苦しみを経験している。
「このような事態は長い間続いています」と、アジス・アベバのサハンリサーチ(Sahan Research)のディレクターであるマット・ブライデン氏はアラブニュースに語った。 「イエメンへのルートは、アフリカの角東部からの人身売買と密輸のための主要なルートであり、主にソマリア人とエチオピア人を対象にしています。不思議なことに、イエメンでの戦争が始まった2015年以降、移民の数が劇的に増加しました。明らかに、イエメンでの紛争による国の統治と国境管理体制の崩壊が、人身売買業者に利用されたのです」
エチオピアと近隣諸国からの移民のほとんどは、経済的安定を求めてのものだが、政治的抑圧から逃れてきた人もいる。エチオピアからイエメンへのルートは暴力やトラウマで有名なため、人々が危険な旅に出ることを思いとどまらせるはずだ。しかし、彼らのほとんどは、彼らを待ち受けている屈辱的な状況についてはおそらく何も知らない。
国際移住機関(IOM)の最近のデータによると、アフリカの角からイエメンに渡る移民の数は、主に新型コロナウイルスのパンデミックにより、2019年の138,213人から2020年には37,537人に減少した。
「ティグライで戦争が起きるまで、エチオピアでの暴力は主にオロミア地域で発生していました」とブライデン氏は述べた。「しかし、多数のティグリニャ人がイエメンに逃げたという形跡はありません」
イエメンの収容所に拘束されていたエチオピアのオロモ族の難民は、 ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW) に対し、看守が女性、少女、少年に常習的に性的暴行を加えていたと語った。拘束されていたエチオピア人女性は、看守とセックスすることを拒否したため、看守から絶え間なく殴打されたと告白した。彼女はいまだにその痛みに苦しんでいる。また、彼女はHRWに対し、友人2人が看守にレイプされるのを目撃したと語った。
サヌアのフーシ派が運営する収容所での死亡事件は、イエメンで一時的な避難場所を求めるアフリカ人移民が支払う代償を思い起こさせる恐ろしい出来事だ。HRWはフーシ派当局に対し、 「この事件の責任者の責任を追及し、移民を劣悪な収容施設に拘束するのを止めるよう」 求めている。