Since 1975
日本語で読むアラビアのニュース
  • facebook
  • twitter
  • Home
  • 中東
  • COVID-19病院における爆発と火災で82人が死亡したことで、イラクでは怒りの声が上がっている

COVID-19病院における爆発と火災で82人が死亡したことで、イラクでは怒りの声が上がっている

火災では未明に82人が亡くなり、老朽化した保健インフラを放置する国の当局者を首にするための怒りの呼びかけに拍車がかかっている。(AFP)
火災では未明に82人が亡くなり、老朽化した保健インフラを放置する国の当局者を首にするための怒りの呼びかけに拍車がかかっている。(AFP)
Short Url:
26 Apr 2021 11:04:02 GMT9
26 Apr 2021 11:04:02 GMT9

アラブニュース

  • 保健相は、管理不行き届き、職務怠慢、汚職の非難を受け更迭された
  • 犠牲者のうちの28人は、火災からの避難時に、命綱である人工呼吸器を外された患者だった

バグダッド/ジッダ:イラクでは日曜日、バグダッドのCOVID-19病院にて発生した酸素ボンベの爆発により引き起こされた火災で、少なくとも82人が死亡、110人が負傷したことで、怒りの声が上がった。

ムスタファ・アル・カディミ首相は、「職務怠慢の証拠」があると言い、Hassan Al-Tamimi保健相を更迭し、調査を進めている。

多数の死者を生んだ猛火は、日曜日の前夜、バグダッドのイブン・アル=ハティーブ病院で発生したが、酸素シリンダーのずさんな保管が原因とみられている。

イラク人権委員会の当局者は、犠牲者のうちの28人は、火災からの避難時に、命綱である人工呼吸器を外された患者であると述べた。

脱出に奔走する患者やその親類で階段はぎゅうぎゅう詰めになり、避難は遅々として、痛みを伴う、混沌としたものになった。

火災では未明に82人が亡くなり、老朽化した保健インフラを放置する国の当局者を首にするための怒りの呼びかけに拍車がかかっている。(AFP)

バルハム・サリフ大統領は、火災は「汚職と管理不行き届きによる、長年にわたる国家機関における侵食の結果」であると述べた。イラク人権委員会は「COVID-19によって疲弊し、保健省とその機関に命を預けている患者に対する罪」を非難した。「手当てを受ける代わりに、彼らは炎にまかれて死んでいった。」

犠牲者の多くは人工呼吸器を装着していて、煙と炎にまかれて窒息死あるいは焼死していったが、火災は「酸素シリンダーの保管ミス」によって生じた爆発から始まったと、保健当局は発表した。

治安部隊は日曜日、イラク首都のDiyala Bridgeエリアにあるイブン・アル=ハティーブ病院に非常線を張り、救助隊が煙で黒くなった建物を捜索したときには、黒焦げになった瓦礫と砕け散ったガラスが屋外に散らばっていた。

病院スタッフ、家族そして居住者が、COVID-19患者を壊滅的なバグダッドの病院の火災から非難させるために殺到している。

火災が広まるにつれ、親類は愛する人を先を争って救出しようとし、幾人かの患者は安全装置に飛び掛かった。

「私は私の兄弟を路上に運びました。それから、戻ってまだ焼けていなかった最上階に行きました。そして、19歳くらいの窒息している女の子を見つけました…彼女は死にかかっていました」と、救助者のAhmed Zakiさんは言った。

「私は彼女を肩に乗せ、駆け下りていきました…医師らは車に飛び乗りました。皆が飛び降りていました。そして、私はそこから上がり続け、人々を連れ、再度下へ降りました。」

ほとんどのCOVID-19重症患者が治療を受けていた病院の集中治療室の患者30人のベッドサイドには多数の親類もいたが、火災は複数の階に急速に燃え広がった。 

犠牲者の1人の息子であるBakr Qazemさんは、「大きな爆発音」を聞いたとき、病院にいた。

彼は言った。「私たちは炎を見ましたが、患者たちを助けることはできませんでした。」

別の目撃者であるMohammed Aliさん(23歳)は学生で、叔父を亡くした。彼は「正面玄関についたら、息が詰まるようでした。誰も上の階に上がることができませんでした。病院全体がひどく損傷し、すべて焼け落ちていました。」と述べた。

犠牲者の1人であるAli Ibrahimさん(52歳)は、新型コロナウイルスの治療を病院で受けていた。彼の家族は日曜日、彼の遺体を埋葬した。

「彼は12日間病院で過ごし、回復後、土曜日の夜に退院する予定でした。彼はCOVID-19の最終検査の結果をただ待っていました」と、彼の親類の1人は言った。

アル・カディミ首相によって招集された緊急閣僚会議では、5日以内に結果をともなう調査が指示された。

「このような事件は職務怠慢の証拠であり、それゆえ、私は調査が速やかに着手されるよう指示した」と首相は述べた。

バグダッド知事と別の保健省高官もまた更迭され調査員の聴取を受けていて、また、病院の経営者とセキュリティー・メンテナンス代表者は拘留されたと、彼は述べた。

火災はソーシャルメディア上で激しい憤りの引き金となり、保健相の更迭を要求するハッシュタグがあふれた。病院の医師は「全集中治療室には、非常口や防火装置がなかった」と言った。

目撃者と医師はAFP対し、多くの遺体がいまだに身元を特定できておらず、焼け跡は激しい炎によってひどく炭化していると語った。

これらの問題は、2017年のイラク保健部門の公的報告書において持ち上がっており、国の人権委員会によって、火災が発生した一夜にして掘り起こされることとなった。

「管理不行き届きがこれらの人々を殺した」と、匿名を条件に腹立たしげに病院の多くの欠陥を列挙した医師は付け加えた。

「管理人たちは、病院の酸素シリンダーが保管してある場所を、たばこを吸いながら歩き回っています」と彼は言った。「集中治療室でも、いつも2、3人の友人や親類が患者のベッドサイドにいます。」

そして、彼は付け加えた。「これはイブン・アル=ハティーブで起こっているだけのことではありません。すべての公立病院でもこのようなのです。」

「設備が故障すると、所長は私たちにそのことを報告しないようにと言います」と、バグダッドの別の病院の看護師は言った。

「彼はそのことは施設に悪いイメージを与えるだろうと言いますが、しかし実際には、私たちは正常に機能するものを持ち合わせていないのです。」

アル・カディミ首相は3日間の国を挙げての服喪を宣言し、国会では月曜日の議会がこの惨事に充てられるだろう。

 (AFP提供)

特に人気
オススメ

return to top

<