
ダマスカス:シリアのバッシャール・アサド大統領が日曜、5月2日以前の一部の犯罪に対し、恩赦と減刑を認める大統領令を出したことを、国営シリア・アラブ通信(SANA)が伝えた。
SANAは恩赦の理由を明らかにしていないが、恩赦の実施はイスラム教徒が断食明けを祝う「イード・アル・フィトル(Eid al-Fitr)」の数日前であり、アサド大統領が4期目、7年の任期を勝ち取る可能性の高い5月26日の大統領選挙に先んじるものだ。
2011年にシリア紛争が始まって以降、アサド大統領は同様の恩赦を実施しており、直近では2019年9月に同様の恩赦が実施されている。シリア紛争では、50万人が死亡し、500万人以上の海外難民を含む戦前の人口の半分が避難生活を送っている。
SANAは、日曜の大統領令を「違反、軽罪、重罪を犯した者に対する最も包括的な恩赦」と説明する。
同大統領令は、すべての密輸、薬物乱用、外貨取引などの違反、重罪に対する刑罰への恩赦を実施するものである。
誘拐も恩赦の対象となるが、被拐取者が恩赦の日までに無事に解放されていることが条件となっている。
AP