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IMF、レバノンの状況は「非常に危険」と警告

2023年3月23日にレバノンのフォトエージェンシー「ダラティ&ノーラ」から提供された配布写真。国際通貨基金(IMF)の代表団と会談するレバノンのナジーブ・ミカティ暫定首相。2023年3月23日、ベイルートの政府宮殿。(AFP)
2023年3月23日にレバノンのフォトエージェンシー「ダラティ&ノーラ」から提供された配布写真。国際通貨基金(IMF)の代表団と会談するレバノンのナジーブ・ミカティ暫定首相。2023年3月23日、ベイルートの政府宮殿。(AFP)
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24 Mar 2023 12:03:36 GMT9
24 Mar 2023 12:03:36 GMT9
  • レバノン当局が改革を約束してから1年、「実行と承認についてもっと多くが期待されていた」と、IMF調査団長は述べた

ナジャ・フーサリ

ベイルート:国際通貨基金(IMF)は23日、「レバノンは非常に危険な状況にある」と警告した。同国当局が改革を約束してから1年が経つが、未だ実行されていない。

IMFは、「レバノン政府が中央銀行からの借り入れを停止する」ことを求めた。IMFのレバノン調査団長を務めるエルネスト・リゴ氏はベイルートで記者会見を行い、同国当局は30億ドルの救済計画の条件履行を加速しなければならないと述べた。

同氏は、経済改革に関連する「法律の実行と承認についてもっと多くが期待されていた」が、進展は「極めて遅い」と指摘した。

IMF調査団は1ヶ月間近くにわたるレバノン滞在中、同国の多くの政府関係者や外交官と会談し、彼らが約束した改革を実行するための努力を強化するよう説得を試みてきた。

リゴ氏は、「レバノンの金融システムの改革に向けた法律の導入と実行について我々はもっと多くを期待していた」と述べた。「資本規制法の最終案は目的に適っておらず、修正の必要がある」

レバノンは1年近く前にIMFとの合意に署名したが、金融支援計画の完全実施に必要な条件を未だ満たしていない。この支援計画は、同国が世界最悪レベルの経済危機から回復するために極めて重要なものであると広く見なされている。

レバノンは2019年以降、通貨レバノンポンドが米ドルに対して98%下落し、3桁のインフレ、貧困の悪化、国民の大規模な国外移住などに見舞われ、経済が機能不全に陥っている。

IMF調査団が会談したレバノン政府関係者の中にはナジーブ・ミカティ暫定首相も含まれていた。首相府の発表によると、「レバノンで行った協議の結論が調査団から提示された」という。

ミカティ首相は23日、レバノン国会のナビーフ・ビッリー議長との会談において、国を救うための緊急行動を迅速に行う必要性を強調した。

同首相は、「大統領が空位で議会が機能していない中、政府がその役割を果たせていない」と述べた。10月31日に任期を終えたミシェル・アウン前大統領の後任について、政治家らは合意に至ることができずにいる。

23日、レバノン国民が再び街頭に繰り出し、経済と生活条件が悪化し続けている現状に抗議した。年金の実質価値が下落して生活費を賄えなくなったため今週デモを行った退役兵士らは、支援の要求が応えられなければ27日にデモを再開すると警告した。

国営通信会社オゲロの従業員らが23日にストライキの実施を決定したことで、国内の通信サービスやインターネットが機能不全に陥るとの懸念が高まった。

ミカティ首相は、レバノンの大ムフティーであるシェイク・アブドゥル・ラティフ・デリアン師との会談後に次のように述べた。「レバノン国民が経験している困難な生活状況について、我々は十分に認識している。活発な経済の動きの回復に向けた実践的なワークショップや主要な改革を開始するために、承認を得るべく議会に法案を送った。このように困難な状況の中であっても、まだ救えるものを救うためだ」

しかし、新大統領の選出やその他の問題をめぐって政治家の間で口論が続いている。

山岳レバノン県のガーダ・アウン検事から裁判官に対する誹謗中傷、名誉棄損、脅迫の罪に問われていたジアド・ハワト議員が23日、ニコラス・マンスール第一捜査判事の前に出頭した。

ハワト議員は、「政治化された司法に立ち向かう」ために議員免責特権を放棄すると述べた。

同議員は2月、レバノンの銀行制度を破壊しかねない違反行為を行ったとしてアウン検事を非難した。同議員はその際、「銀行システム全体が裁判官の気分次第で翻弄されることがあってはならない」と述べ、国の銀行運営に対する公正かつ偏りのない司法捜査への支持を強調した。

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