








ナジア・フサリ
ベイルート:新型コロナウイルス感染者数が減少し始めたことを受け、ベイルートを始めとするレバノンの主要観光地では、経済活動や娯楽活動が再開し始めている。
一部の病院がコロナ部門の閉鎖を発表し、新型コロナウイルス防止対策追跡委員会は映画館や劇場の再開許可を、収容率50%の条件付きで推奨している。レストランやカフェも、営業時間の延長を認められるようになった。
先週土曜日、昨年8月4日以来初めて、ベイルート中心街で「ソウク・アル・バラド(カントリーマーケット)」の横断幕の下、数々のテントが設置された。小規模生産者の手作り品や農産物の宣伝活動を応援しようと、アルドナ協会がベイルート市場の支援を受けてソリデール社との共同で始めた取り組みだ。
日曜日には、ベイルートマラソン協会主催の女性マラソンが、ベイルート海岸地区で開催された。ベイルートではこの先週数間、子供向けファッションショーを始めとする数々の娯楽活動が実施される。
ソリデール社マーケティング部長のアディブ・アール・ナクイブ氏は、「ベイルート市場は現在、コロナによる封鎖措置や港湾爆発事故の影響で停滞していますが、今や時代が封鎖措置からの脱却を促しており、当社は人々に楽しんでもらい、希望を回復させるような活動を主催したいと考えたのです」とアラブニュースに語った。
観光貿易組合連合会事務局長のジャン・ベイルーティ氏は、「人々は、政治家たちが作り出した危機に抵抗して自分たちの生活を続けていく決意をしたのです。さもなければ集団自殺に陥ってしまいますから」と述べた。
「人々は自分たちが置かれている状況を拒絶しているのです。そのため、新型コロナウイルス防止措置の緩和とともに、経済的余裕が許す範囲で人々がレストランやカフェやナイトライフに戻ってきているのがわかります。観光施設も営業を続けるために、闇市場で2倍以上するドル為替レートを、5000レバノンポンドに設定する決断をしました」
ホテルでの結婚式の予約が増えたのも、「外国で働くレバノン国民はもう2年近く帰国しておらず、彼らは自分たちが幸せな生活を送ることで、政治家たちからされたことを忘れたいと望んでいるのです」とベイルーティ氏は指摘した。
コロナ禍で外国旅行ができなくなり、レバノン通貨の崩壊で経済力に余裕がなくなったことから、多くのレバノン人は国内観光を選択した。
レバノンのホテル事業者共同組合代表ピエール・アシュカル氏は、「観光業界は今夏、外国に住むレバノン人が訪れてくれることを頼みの綱としています。毎年夏の休暇には、65万から70万のレバノン人がトルコ、キプロス、ギリシャの島々を始めとする外国旅行をしています。しかし現在は経済的に厳しいため、それは不可能です。そこで我々は、人々が今年は国内観光に目を向けてくれることを期待しています」と述べた。