
アラブニュース
ジェッダ:民主化活動家の暗殺に関わった、イランが支援する民兵組織の指導者の釈放をある判事が命じたことを受けて、9日、イラクでは怒りの声が上がった。
アンバール県のハシード・アル・シャアビのリーダー、ガーセム・ムスラ氏は2週間前、先月バイクに乗った暗殺犯らによって射殺されたイハーブ・アル・ワズニー氏の殺害を指示した容疑で逮捕された。
同氏にはまた、2019年12月に、別の活動家ファヒム・アル・タイエ氏の暗殺を指示した疑いもかけられている。
イラクの最高司法評議会は、捜査当局がアル・ワズニー氏の死にムスラ氏が関与したことを示唆する証拠を出せなかったと述べた。
「アル・ワズニー氏の暗殺時、彼はイラク国外にいたことが、パスポートの情報から証明され、彼はこの犯罪の実行や参加を否定したため、裁判所捜査部は直接的にも間接的にも、この犯罪に彼が関与したことを証明する証拠を見つけられなかった」と、評議会は発表した。
しかし、あるイラク政府高官は、ムスラ氏の釈放決定を非難した。
「ムスラ氏と実行犯との間でのこれらの暗殺に関する電話でのやりとり、親族への脅迫、目撃証言、尋問で得られた説明など、全てが揃っている」と、同高官は述べた。
「政府は全ての証拠を提出したが、裁判官らは圧力を受けて同氏の釈放を決定したのだ」。ムスラ氏の釈放は、イスラム革命防衛隊の海外部隊であるコドス軍トップのエスマイル・ガーニ将軍のバグダッド到着と時期が重なっている。
ガーニ氏は、民兵や政治家らと会談し、政府とハシード・アル・シャアビとの間の緊張関係について議論した。先月のムスラ氏の逮捕は、緊張関係や暴力が発生する懸念を生じさせた。
ハシード・アル・シャアビの部隊は、イラク政府が置かれ、厳重な警備が行われているグリーン・ゾーン内のムスタファ・アル・カディミ首相の本部を包囲し、政府や外交使節団を保護するため、イラク治安部隊と精鋭のテロ対策局が配備された。