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カルロス・ゴーン、潔白を証明するため長期戦を戦うと宣言

2021年6月14日、レバノンのベイルートで、日産のカルロス・ゴーン前会長が妻のキャロル氏と共同で執筆した最新刊「アンサンブル・トゥジュール」が公開された。(ロイター通信)
2021年6月14日、レバノンのベイルートで、日産のカルロス・ゴーン前会長が妻のキャロル氏と共同で執筆した最新刊「アンサンブル・トゥジュール」が公開された。(ロイター通信)
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15 Jun 2021 12:06:56 GMT9
15 Jun 2021 12:06:56 GMT9

ベイルート:逃亡中の自動車メーカーの元役員カルロス・ゴーン氏は14日、フランス当局との間で自身の潔白を証明するため、長期戦を覚悟していると述べ、レバノン国外への渡航を阻んでいるインターポールの手配書に異議を唱えると誓った。

ルノー・日産自動車連合の立役者であるゴーン氏は、2019年末に日本からレバノンに逃亡して以降、複数の捜査と戦っており、自身に対する金融不正事件で身の潔白を証明したいと語った。

ゴーン氏は、報酬を過少報告し、会社の資金を私的に使用した罪で2018年に日本で逮捕された時、日産と三菱の両社の会長で、ルノーの最高経営責任者を務めていた。同氏は不正行為を否定している。

レバノン系フランス人の同役員は、今月これまでに、フランスでの財務不正疑惑を中心とした事情聴取で、フランスの捜査官の数百の質問に答えたと語った。

ゴーン氏は、ベイルートの裁判所で行われた尋問に証人として任意で応じたと述べた。

「私は彼ら(フランスの捜査官ら)の結論を待つつもりだ。結論は数ヶ月以内に出るかもしれない」と、最近出版したキャロル夫人との共著本「アンサンブル・トゥジュール」について議論するインタビューの中で、ロイター通信に語った。

「しかし、フランス(当局)の前で自分を弁護するプロセスが非常に長くなるのは間違いなく、私は我慢強くならなければならない」。

ゴーン氏は、弁護士からの助言に従い、日本の検察に関する質問だけは答えなかったと述べた。

ゴーン氏は14日、日本政府からの要請を受けて自身に出されたインターポールの赤手配書(起訴を行うために指名手配中の逃亡犯に出されるもの)の取り消しを求めていると語った、この赤手配書は、2020年1月にレバノン政府によって受領された。

この手配書は、ゴーン氏が日本との間に犯罪人引き渡し協定がないレバノン国外に渡航すると逮捕される危険性があることを意味している。

レバノン当局はこの手配書をめぐりゴーン氏に尋問を行い、日本政府からゴーン氏の資料の送付を求めているが、まだ何も受け取っていないと、同氏は語った。

「このようなケースでは明らかに、政府と戦うことになる。政府はこちらにはない手段を持っている。莫大な資金と多くの弁護士、そして強い忍耐力が必要になる」と、同氏は語った。

赤手配書により、ゴーン氏は当分の間ベイルートに滞在することになり、飛行機で何年も各地を飛び回った後のゆっくりとした生活を楽しんでいるという。

「私は少なくとも妻と一緒に生活できる。朝、朝食も一緒にとれる。飛行機に飛び乗ることもない。時差ボケもないし、よく眠れる」と、同氏は述べた。

「基本的に、自分の身に起きたことにより、人生において不可欠なものは何かを本当に理解することになった」。

臨戦態勢

ゴーン氏は、有罪率が99%の法制度が変更された場合にのみ、身の潔白を証明するため、日本に戻ると語った。

「明らかに日本の責任と外国の責任ではシステムが違う。これは止めなければならない」と、同氏は述べた。

ゴーン氏が拘束され、レバノンに逃亡したことで、日本の司法制度には国際的な注目が集まった。

11月に、国連の専門家パネルは、ゴーン氏がこの制度によって不公平に扱われたと述べていたが、日本の法務大臣は、この結論は事実誤認に基づくものだとして、同パネルを批判した。

ゴーン氏の逃亡当時、同氏は日産の財務諸表上の報酬を10年間で93億円(8500万ドル)過少に記載し、自動車代理店への支払いを通じ、雇用主の経費を私的に流用した罪で、裁判を待っていた。

14日には、米国陸軍特殊部隊の元隊員とその息子が、ゴーン氏を箱の中に隠し、プライベートジェットに乗せて逃亡するのを幇助した罪で、東京地裁で容疑を認めた。2018年にゴーン氏が拘束されたのと同じ東京の拘置所に収容されている2人には、最大で3年の懲役刑が科せられる可能性がある。

ゴーン氏は、彼らが有罪を認めたことで、ゴーン氏の報酬を隠すことを手助けしたとして起訴された日産の元役員、グレッグ・ケリー氏の裁判とは対照的に、審理が迅速に行われるだろうと述べた。

ケリー氏は東京で裁判を受けており、同氏は起訴内容を否認している。「無罪を主張すれば、非常に長い試練に直面することになる。従って、これは何かが完全に間違っている」と、ゴーン氏は述べた。

ゴーン氏は先月、自身が起こした訴訟で、オランダの裁判所から日産と三菱に500万ユーロ(610万ドル)の報酬を返還するよう命じられ、敗訴している。

ゴーン氏は判決を不服として控訴すると語った。

「我々は臨戦態勢に入っている。そして結果には非常に失望している」。

ロイター通信

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