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パレスチナ自治政府の労働相辞任、反政府の抗議運動が高まる中

6月27日、イスラエル占領下のヨルダン川西岸地区で、ニザール・バナト氏の死に抗議するデモ隊。プラカードには、「この国には、人々が犠牲を払い、声を上げ、恐れずに行動するだけの価値がある」と書かれている。 (ロイター)
6月27日、イスラエル占領下のヨルダン川西岸地区で、ニザール・バナト氏の死に抗議するデモ隊。プラカードには、「この国には、人々が犠牲を払い、声を上げ、恐れずに行動するだけの価値がある」と書かれている。 (ロイター)
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28 Jun 2021 03:06:37 GMT9
28 Jun 2021 03:06:37 GMT9
  • デモは4日目も続き、参加者たちは86歳のマフムード・アッバス大統領の辞任を求めた
  • ヘブロン出身のニザール・バナト氏(43)は、自宅にいるところを治安部隊に踏み込まれ、暴力的なやり方で逮捕された直後に死亡した

ラマッラー:パレスチナ自治政府の治安部隊が、マフムード・アッバス大統領の辞任を要求する運動の激化に備えている中、自治政府のナスリ・アブ・ジャイシュ労働大臣が27日に辞任した、と所属の人民党のメンバーが明らかにした。

労働相の辞任は、ある活動家が暴力的な方法で逮捕され拘留中に死亡したことに端を発した、パレスチナ自治政府(PA)に対する激しい抗議運動が3日間にわたり継続しているタイミングでの決断となった。

死亡したニザール・バナト氏(43)は、自治政府内の汚職容疑を告発する動画をソーシャルメディアに発表してきた。バナト氏は自宅にいるところを治安部隊に踏み込まれ、暴力的なやり方で逮捕され、直後の24日に死亡した、と同氏の家族は語っている。

イスラエル占領下のヨルダン川西岸では、新たな抗議行動がパレスチナ自治政府の本拠地であるラマッラーとバナト氏の故郷ヘブロンの両都市で、27日日曜日の夜に予定されている。

左翼のパレスチナ人民党は、ファタハ主導の自治政府から「法と公共の自由が尊重されていない」ことを理由に、離脱したと同党党員のイッサム・アブ・バクル氏は述べている。

自治政府における人民党の代表であったアブ・ジャイシュ労働相が辞任したのもそのためだとアブ・バクル氏は語る。

自治政府は、バナト氏の死について調査を開始するとは発表したが、抗議する人々の怒りを和らげるような対策はほぼ何も行っていない。

検死結果では、外傷等から見てバナト氏が頭、胸、首、脚、手を殴打され、逮捕から1時間も経たないうちに死亡したことが示されている、と病理医のサミル・アブ・ザルゾール氏は述べている。

26日、ラマッラーの抗議運動参加者たちはパレスチナ治安部隊に投石し、治安部隊は催涙ガス弾を大量に連射して対応、数人が負傷したと報道された。

抗議運動の参加者たちは86歳のアッバス大統領に辞任を求めている。

バナト氏は、アッバス大統領が無期限に延期するまでは5月に予定されていた、パレスチナ議会選挙に立候補者として登録していた。

アッバス大統領の当初の任期は2009年に終了しており、それ以来、同大統領は(選挙によってではなく)法令によって在任する形となっている。

アッバス大統領はさる5月、イスラエルが併合を主張している東エルサレムで投票が行われることが保証されるまで、それぞれ5月と6月に設定された議会と大統領の選挙は行わないと宣言した。

アッバス大統領職はファタハの議長であり、またパレスチナ人を代表する組織として国際的に認められているパレスチナ解放機構(PLO)の議長の座にもある。

しかし、パレスチナのガザ地区沿岸の飛び地を統治している長年のライバル、過激派イスラム主義組織ハマスが勢いを増し、ファタハは難しい状況にある。

パレスチナ自治政府は、1967年の第三次中東戦争以来イスラエルが占領していたヨルダン川西岸地区の約40%以上を、制限付きではあるが統治している。

イスラエルは、自治政府領へのすべてのアクセスを管理し、自治政府と調整を行いながらヨルダン川西岸地区の残りの60パーセントを直接管轄している。

AFP

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