
エルサレム:2003年から施行されている、イスラエルに住むアラブ系市民・住民がパレスチナ人配偶者に権利を拡大することを禁止する法令は6日、失効した。国会議員らはこの異論の多い措置を延長できなかった。
ナフタリ・ベネット首相はこの法令の延長を求めたが、さまざまな考えを持つ者が集まっている連立政権の中で意見が分かれていた。ユダヤ人の左派とアラブ人の保守派の双方が強く反対していた。
6日朝、国会で投票が行われた。賛否は賛成59、反対59の同数で割れ、この措置は失効した。
この結果は、ベネット氏率いる連立政権が定数120の国会でぎりぎり過半数を占めていることを明確に示している。
連立政権を構成する8政党は、野党党首ベンヤミン・ネタニヤフ氏に対する共通の敵意以外では、ほとんど団結していなかった。ネタニヤフ氏は12年連続で首相を務めた後、先月彼らにその地位を奪われた。
パレスチナの第二次インティファーダ(蜂起)のときに初めて制定されたこの法令は、支持者からは安全上の理由で正当化されていたが、批判者からはイスラエルの少数派アラブ人を対象とした差別的措置だとやゆされていた。
この法令は、イスラエルとイスラエルが1967年以降占領した地域に住むパレスチナ人に、終わりのない複雑な問題をもたらしている。
影響を受けた人で、併合された東エルサレムに住んでいる人は相当数いる。彼らはイスラエルの居住権を持っていても、必ずしもイスラエル国民であるとは限らない。
この措置に反対する抗議活動が5日、国会の外で行われた。配偶者と合流する許可を得ることの難しさや、許可なくイスラエルの領土に入ることの危険性を詳しく話す人がいた。
アリ・メテブさんは、妻がイスラエルの居住権を持っていないため、家族は「延々と続く監獄」に閉じ込められている、とAFPに語った。
「私は、イスラエルが我々に与えるべき権利を求めている……妻がイスラエルの身分証明書を持ち、居住権を持ち、移動の自由を得られるように」と彼は話した。
ジェシカ・モンテル氏は、パレスチナ人を法的に支援している、イスラエルの人権団体ハモケドの代表だ。同氏は「数万の家族がこの法令によって被害を受けている」と話した。
AFP