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シリアのクルド当局、支援物資を搬入する国境検問所に関する国連の採択は不公平だと非難

「アサイッシュ」として知られるクルドの国内治安部隊の隊員がカミシリで見張りをしている。(AFP)
「アサイッシュ」として知られるクルドの国内治安部隊の隊員がカミシリで見張りをしている。(AFP)
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11 Jul 2021 05:07:24 GMT9
11 Jul 2021 05:07:24 GMT9
  • 国連安全保障理事会は9日、シリア北東部の反体制派支配地域にトルコから人道支援物資を届ける国連の活動について、バブアルハワ国境検問所からの物資搬入を延長する決議を全会一致で採択した

カミシリ: シリアのクルド当局は10日、国連安全保障理事会が、トルコとの国境を経由する支援物資の搬入を承認したものの、北東部に支援物資を搬入する国境検問所を再開しなかったことを非難した。

クルド自治政府は声明で「我々はシリア国民に支援物資を届けることには反対していない……だが、二重基準には反対だ」と主張し、「この決定によって、我々は四方八方から包囲され続けることになり、我々の人道的悲劇は深刻化する」と付け加えた。

国連安保理は9日、シリア北東部の反体制派支配地域にトルコから人道支援物資を届ける国連の活動について、バブアルハワ国境検問所からの物資搬入を延長する決議を全会一致で採択した。

しかし、アルヤルビヤの第2の越境拠点を1年間再開せよという要求は取り下げられた。そこを通ることで、イラクからシリア北東部への物資搬入が可能になる。

ロシアと中国が、アルヤルビヤの拠点を開いたままにすることを許可する国連安保理決議に拒否権を行使したため、アルヤルビヤの拠点は昨年閉鎖された。

クルド当局や国際援助団体はアルヤルビヤの拠点の再開を陳情していたが失敗し、反発が起きていた。

国際救済委員会のデービッド・ミリバンド氏は、9日に発表した声明で「安保理は……またしてもシリア北東部の住民が人道支援にアクセスする際に直面している、命に関わる重大な問題に取り組むことができなかった」と述べた。

「ニーズは40%近く増加しており、国際赤十字をはじめとするNGOは不可欠な物資の慢性的な不足を経験している」

アムネスティ・インターナショナルも、今回の国連安保理の採択はシリア北東部の人道的悲劇に目をつぶった「妥協案」だと非難した。シリア北東部には無秩序に広がった避難キャンプがあり、ダーイシュの親族が暮らしている。

アムネスティのシュリーン・タドロス氏は声明で「この妥協案が出されたということは、またしてもロシアがシリア人の人道的ニーズを無視したということだ」と述べた。

一方、シリア政府は、支援物資の搬入を6カ月しか認めなかった国連安保理の採択を歓迎している。今までは12カ月だったが、短縮された。

シリア国営テレビは10日、ファイサル・メクダド外相の発言を引用し、この採択によってシリアの領土の統一性が認められたと伝えた。メクダド氏は「外国とつながる国境検問所は、もはや支援物資を届けるための主要な手段ではない。今はシリア国内からの配送が主要(な経路)になっている」と述べた。

中国の張軍国連大使は6日、中国が安保理に望んでいるのは、近隣諸国からシリアへの人道支援物資の搬入を拡大することだけでなく、米国やEUによる西側の制裁の影響や、紛争ラインを越えて搬入を拡大する必要性に取り組むことだと述べた。これらは今回の採択後に同氏が再び取り上げた問題だ。

「ここで強調すべきなのは、一方的な制裁が、シリアの人道的状況の改善において主な障害になっているということだ」と張氏は述べた。

AFP

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