
アラブニュース
ジェッダ:27日、チュニジアの民衆は、カイス・サイード大統領が緊急事態は一時的なものであり、「民主的な道を守る」と主要な市民グループに語ったのを受け、大統領への支持を強めている。
サイード大統領は、「チュニジアの自由と権利はいかなる形でも影響を受けない」と約束した、と強い勢力を持つチュニジア労働総同盟(UGTT)の当局者、サミ・ターリ氏は述べた。
大統領がヒシェム・メチチ首相および法務相、国防相を含む内閣を解任した後、26日には街頭で数千人の人々が祝う姿が見られた。大統領はまた、イスラム主義政党アンナハダのラーシド・ガンヌーシ党首が議長を務め主導していた国会も停止している。
チュニジアの首都チュニスの街頭では、多くの人々が大統領の措置を歓迎していた。看護師のナジェット・ベン・ガルビアさん(47)は、今回のような動きを長い間待っていた、という。チュニジアの民衆が独裁者ジン・アルアビディン・ベンアリ元大統領を追放してから10年が経った今、多くの人々が苦しい生活を強いられている。
「依然として貧困の問題は深刻です」とベン・ガルビアさんは言い、インフレが収入を目減りさせ、高すぎて肉も買えなくなっていると説明した。 「人々はみじめな暮らしをしています」
「カイス・サイード大統領、彼は政治家ではなく教師です。大統領は私たちと同じ普通の人間です。私たちは彼を信じています。彼はベンアリ元大統領とは違い、独裁者ではありません。」
ムニール・マブルークさん(50)は、「大統領がしていることは、私たちのためになることです。政党は、私たちの財産を外国人や裕福なエリートに売り渡す以外に何もしていません」と話している。
タクシー運転手のホスニ・カリさん(47)は、チュニジアの記録されている死亡率は世界でも最悪の部類であることから、特に新型コロナへの感染を抑制する施策が必要だと話す。 「すべてのチュニジア人はうんざりしています」と彼は言う。「大統領の行動は時宜を得たものでした。」
アナリストたちは、チュニジアの混乱の責任は明らかにガンヌーシ率いるイスラム主義政党、アンナハダにあるとして非難している。
アルアラビヤ・ニュースチャンネルのアマル・アジズ編集委員は、アラブニュースに次のように語っている。「アンナハダが議会と政府を支配しているため、安全保障から経済まで、すべてが崩壊の一途をたどってきました。交通システムや公共保健機関さえもです。チュニジア人は皆状況の悪化に気づいており、7月25日に各地で抗議行動が起きたのもそれが原因です。」
有力シンクタンク、ポリシー・エクスチェンジの上級研究員で英国の元トップ外交官のジョン・ジェンキンス卿は28日アラブニュースに発表した記事の中で、アンナハダのガンヌーシ党首の動機は疑わしいと指摘した。
ジェンキンス卿は次のように記している。「ガンヌーシ氏は2016年にアンナハダの政治部門、社会福祉部門そしてダワ派を分離したと主張していましたが、イスラム化した国家を実現するというムスリム同胞団の最終的な目標をガンヌーシ氏が共有していないと示唆されたことはこれまで一度もありません。」