
マエデ・シャリフィ
ロンドン:ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)は金曜、イランがフーゼスタン州の抗議活動を暴力で弾圧したことを非難した。
アムネスティ・インターナショナルや国連人権委員会のミシェル・バチェレ氏も、この1週間で非難を表明した。
HRWは、数百人が逮捕され、少なくとも9人の死者(子どもを含む)が出たと報告しており、「未確認情報だが、死者や逮捕者の数はもっと多いようだ」と付け加えている。
7月15日、フーゼスタン州では水不足をめぐり大規模な抗議行動がおこなわれた。同州のアラブ系コミュニティが、政府の怠慢とアラブ系コミュニティに対する差別に反対するデモを先導したものだ。
他の州のイラン人も、この動きに同調した。イラン政府は、「暴徒」がデモ参加者を殺害したとして、これを非難している。
しかしHRWは、「フーゼスタン州の各都市での抗議活動の動画がソーシャルメディアで共有されているが、そこには治安当局が抗議者に銃器や催涙弾を使用する様子が映っている」と述べた。
アラブアフワジの人権活動家であるロンドン在住のカリム・ダヒミ氏は、アラブニュースに対し「多くのデモ参加者は逮捕を恐れて病院に行かず、重傷を負ったまま帰宅したため、死者はもっと増える可能性がある」と述べた。
同氏によると、イラン当局は犠牲者の遺体を家族に引き渡す際に「デモ参加者の携帯電話番号、誰と連絡を取っていたか、誰と一緒にいたか、誰が両親に知らせたか」といった情報を条件にしているという。
同氏はまた、被害者の父親がカメラに向かって「デモ隊が息子を殺した。息子はデモに関与していない」と主張することも条件のひとつだと付け加えた。
「家族には圧力がかけられている。遺体を引き取りたいために政府の条件をのむ家族も、そうしない家族もいる」。
同氏によると、殺害されたデモ参加者のうち8人はアフワジアラブ人であり、残る1人はバフティアリ人だということだ。大規模な抗議活動に対する弾圧は、イランの少数民族であるアラブ人に多大な影響をもたらしている。
ロンドンを拠点とするNGO「Justice for Iran(イランのための正義)」の共同設立者である弁護士のシャディ・サドル氏は、逮捕された数百人のデモ参加者や活動家の「ほとんどがアラブアフワジ人だ」とツイートしており、彼らは「自宅や職場で」逮捕されたと付け加えた。
HRWはイラン当局に対し、「平和的なデモ参加者を直ちに無条件で解放し、死者に関する情報を提供し、治安当局の殺傷兵器使用の疑いに関しては独立機関による国際調査を許可すべきだ。弾圧の責任者は全責任を負うべきだ」と述べている。